MVの世界観が美しい!
歌詞が心に刺さる!という感想の多い「美しい棘」ですが、MVも非常に凝った作りで見応えがあります!
こちらでは、YouTubeのUNIVERSAL MUSIC JAPAN公式チャンネルでアップされている「美しい棘」のMVをご紹介します。
ただ、こちらの動画はショートバージョンとなっています。
しかし、短くてもGLIM SPANKYの作り出す世界観はしっかり感じられますよ!
公式MVはこちら♪
まるでおとぎ話を実写で見ているような雰囲気の「美しい棘」のMV。
先述の通り、ボーカルの松尾レミはケルト文化などが好きなので、この雰囲気は松尾のイメージを色濃く反映しているように思えます。
昔、世間を賑わせた“妖精の写真”のような、何だか妖しげだけれど美しい映像は、見る者の目を惹きつけます。
その雰囲気の一端を、ご紹介している動画でぜひ感じ取ってみてください!
「美しい棘」の意味深な歌詞を徹底解説!
少女から大人へ…かつて少女だった大人へ
十字架の見える窓で風が遊ぶ度プリーツを揺らすよ
誰も邪魔をしないで わたし今が全てだから
儚く綺麗な時 大人には解んないでしょう
出典: https://twitter.com/ARAIREIRA_avex/status/878102078744281088
今まさに“少女の時代”を生きている女の子にとって、制服の重いプリーツや、思うようにいかない自分の心や体は、何だかとてもアンニュイな存在に思えるのではないでしょうか。
ただ、どんなに重く、窮屈な存在が彼女たちの前に立ちはだかっても、少女たちが日々軽やかにうつろわせる心まで、縛ったり抑えたりすることはできません。
いくら世間が彼女たちを“女性とは”という枠にはめようとしても、“少女の時代”を生きる女の子は、その枠を軽々と飛び越えてしまいます。
そして、このように、大人が捕まえようとしても縛ろうとしてもとらえきれない存在が、“大人には解んない”少女という存在なのです。
棘に刺さりながら 少女は今
深い傷を増やして喜びを知っていく
今までとなりに居たあなたから手を離せば最後
もう知らぬ人
出典: https://twitter.com/glim_lyrics/status/928992731443052546
世間は“少女”という存在に、か弱さやただ無垢であるというイメージを抱きがちです。
しかし、実際の少女は、怒涛のようにおとずれる心身の成長を、強制的に受け入れさせられる経験を積むことで、非常にしたたかな一面も持っています。
特に、自分の体については、自分の心が追い付く・追い付かないにかかわらず、勝手に大人になっていくことが、どんな少女にとってもショックな出来事です。
心身の成長は、周囲の自分に対する視線なども変化させ、少なからず傷つくことが増えます。
そんな毎日の棘に傷つきながらも、それでも自分が羽化するように美しく・強くなることは、少女にとって喜びにもなります。
少女はここで、となりの誰かの手を離します。さてこの“誰か”、あなたは誰だと思いますか?
これは、曲を聴いている人によって、とらえ方が大きく変わるのではないかと、私は思います。
少女自身が聴いていれば、この誰かは、過去の自分かもしれません。
少年が聴いていれば、この誰かは自分(少年)自身かもしれません。美しくなっていく少女は、自分の手を離した時、知らない女性に思えたのかも。
娘をもつ親の立場だと、誰かは自分(親)であり、親元を離れて成長していく娘の姿に思えます。
あなたはどんな“誰か”を思い浮かべたでしょうか。
ファンタジーと現実が矛盾なく存在する少女の世界
教室を抜け出して見上げた空は どんな青よりも鮮やかで
何も知らずに笑える二人 春の夢のようね
あなたと一緒だから私も生きて行ける
出典: https://twitter.com/SakiSpec/status/878190295514464256
自分自身の成長や心の制御にとまどいながらも、少女はいつも“自分だけの美しい世界”を生きています。
そして、彼女たちのほとんどは、自分を重ね合わせられる近接した友人や、または自己を投影した“イマジナリーフレンド”のような存在を持っています。
そうした存在と、自分自身の内にある美しい世界があれば、世間がどんなに悪辣な状況でも、美しく生きていける、それが少女です。
季節を駆け抜けゆく
少女はただ
香る草の匂いも忘れたくはなかった
出典: https://twitter.com/utter_of_0914/status/876748755302621184
少女は夢見がち、そう思われやすいものですが、だからといって彼女たちは現実を知らないわけではありません。
自分自身の“少女としての時代”が、いつしか終わってしまうことを、少女たちはしっかり自覚しているのです。
だからこそ、彼女たちは“少女だった自分の感覚”を忘れたくないと、切に思います。
いつかはこんな事を思い出す時が来るのかなって語りあっている
出典: https://twitter.com/knmmtt/status/893085777248174080