「ルーキー」
4枚目
「ルーキー」は2011年3月16日に発売されたサカナクションにとって4枚目のシングル曲です。オリコンチャート週間6位を獲得しました。
初回限定盤にはMVとチケット先行抽選予約シリアルナンバーが同封されていました。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%BC_(%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%9B%B2)
4つ打ちのリズムとエレクトロニックな音像が気持ちいい楽曲。サカナクションのオリジナリティあふれるスペーシーな雰囲気は必聴です。
この浮遊感はハマるとクセになります。これがサカナクション!!といったサウンドスタイル。
初回限定盤はCDを買いたくなる仕掛けですね。CDが売れない時代ですからレコード会社はあの手この手をつかってプロモーションしています。
悔しいですがファンなら買わずにはいられないですよね。
それでは「ルーキー」の世界を見ていきましょう。
サカナクションにしか作り出せないその世界観。
それを構成する要素について1つ1つ考察していくことで、「ルーキー」が持つ底なし沼のような魅力を更に知れることでしょう。
コーラス
「ルーキー」のコーラスが何を歌っているのかネットで話題になっています。
女性のコーラスは「見えない夜の月の変わりに引っ張ってきた青い君」と歌っているようです。
歌詞カードにも載っていないでおそらく載せない理由があるのでしょうね。何か深い理由があるのかも知れません。
単に掲載するのを忘れたというのも否定できませんが(笑)。それでしたらかなりのおっちょこちょいですね。
もしくはネットで話題になることを見通しての歌詞不掲載ならば相当頭の良い宣伝方法です!!
とはいえ、サカナクションのことなので載せないのも彼らの表現の内なのでしょう。
フロントマンである山口一郎の歌詞の世界観は、文学的とも形容されます。
彼にとってこの歌詞が特別な意味を持っているからこそ、わざと載せていないのではないでしょうか。
サカナクションの曲の中では、「月」という言葉が頻繁に登場します。
この楽曲においても「月」が出てくることから、彼にとってその言葉が大切なものなのだということが分かります。
「ルーキー」の歌詞
深掘り
消し忘れ 消し忘れたライト
あとどれくらいで 朝が来るのか
悲しみ 悲しみと同じ
歩幅で歩いた夢を見てた
出典: ルーキー/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
このライトは何のライトでしょうか。自宅の電球。車のライト。街灯。いろいろ想像できます。
消し忘れたということなので自分で消したりつけたりできるライトですよね。
夜の状況を歌っているので夜間にライトで何かを照らしているということです。
朝を待っていますね。眠れないのか眠りたくないのか。
「悲しみと同じ歩幅で歩く」という詩的な表現が出てきます。悲しみを感じながら生きているということではないでしょうか。
4行目、彼が見ていた「夢」というのは一体何なのでしょう。
おそらく彼は悲しい夢を見たのではないでしょうか。
それが原因で悲しくなったのだと考えられます。
そして孤独な夜という状況も、彼の悲しみを増幅させているのかもしれません。
そう考えると、恐らく彼は朝が来ることを心待ちにしていると考えられます。
夜に感じる不安
何気ない 何気ない部屋の
壁の傷を数えたりして
眠れない 眠れない夜を
すり減らして爪を噛んでた
出典: ルーキー/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
部屋で横になっている状況の歌詞ではないでしょうか。落ち込んでいるのか病気なのか分かりませんが壁の傷を数えています。
興奮して眠れないのかもしれませんし、気持ちが落ち込んでいることをごまかそうとしているようにも感じます。
何れにせよ、明るい気持ちではないようです。悩みや落ち込みを感じますよね。
そうして眠れない夜。眠れないのは興奮しているのか、不安があるため考え事をしているのか。
爪を噛んでたという表現からは、ストレスを感じているのが分かります。
何か不安があるのでしょうね。
恐らく主人公は、先ほど見た悲しい夢が原因で不安な気持ちになったのでしょう。
その不安というのは、夢が正夢になってしまうかもしれないという心配なのではないでしょうか。
そう考えると上手く眠れず、ただずっと夜をやり過ごすしかない気持ちなのでしょう。
あれこれと考え事をしてしまって、眠りたいのに眠れない。
そんな彼の心情が伝わってくる歌詞です。
サビの歌詞の意味
「ルーキー」という言葉に隠された意味
行かないで 見渡して 羽ばたいて 口ずさんで いつか
言わないで 思い出して 羽ばたいて 口ずさんで いつか
出典: ルーキー/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
キーボードが綺麗な音色を奏でるサビです。
抽象度の高い歌詞ですね。何かを追い求めているような雰囲気です。恋人へ行かないでと言っているような感じもします。
羽ばたいてという言葉からは「現状からの脱出」も表現しているようです。
全体的には何かを求める歌詞ではないでしょうか。今自分にないものを希求する気持ちを感じます。
この楽曲のタイトルが「ルーキー」であるのも関係していると考えられるでしょう。
「ルーキー」というのは「新人」という意味で使われることが多い言葉です。
そう考えると、「羽ばたく」というのは更に成長して大きな世界へ羽ばたくことを意味しているように思えます。
「行かないで」というのは誰かに対しての離れて欲しくない想いを歌っていると考えられるのではないでしょうか。
「いつか」という言葉も、未来への想いを吐露しているように感じられるのです。
この歌詞はまだ青さの残る若者のことを表していると考えられないでしょうか。
若者の生活を「ルーキー」という言葉で表している。
そう考えると、この抽象的な歌詞にも納得がいくのではないでしょうか
抽象的でありながらも、タイトルについて考えることで自然とその意味が想像ができるものとなっています。