明かりは 静かに 白く染め行く街の中
君が見た最後の季節色
涙を 落とした 現実とは残酷だね
君が見た最後の季節色
出典: ain't afraid to die/作詞:京 作曲:Dir en grey
主人公は冷静な心持で景色を眺めているようです。
1行目、白いのはもちろん雪でしょう。
2行目と4行目の歌詞からわかるように、君が死んでしまったのも雪が降る冬でした。
そんな景色を見ながら、君が死んでしまったことを「残酷」と感じているようです。
これまではそんなことを感じる余裕さえない様子だった主人公。
抱いたネガティブな感情をはっきりと言葉にできるということは、それほど客観視できているということでしょう。
やはり君の死から立ち直りつつあるのだとわかりますね。
君が死ぬ前に見た雪景色。それを冬という季節が持つ色だと表現しているとても素敵なフレーズです。
乗り越えた主人公
最後に見た色
四季と君の色やがて消えるだろう
雪は解けて街角に花が咲き
君が見た”色彩”はそっと溶けてゆく
今年最後の雪の日
出典: ain't afraid to die/作詞:京 作曲:Dir en grey
冬から春へ移り変わると同時に、君の死を乗り越えた主人公。
むしろ主人公が乗り越えたからこそ、ようやく春が訪れたのだと捉えられそうです。
3行目ではこれまでの歌詞とは打って変わって、色鮮やかな情景が描かれていますね。
モノクロだった景色が色を取り戻したことで、主人公が完全に前を向けたのだとわかります。
2行目の「花」は主人公が見ていた景色であるのに対して、3行目の色彩は君が見ていたもの。
「溶ける」と表現されていることからも、この色彩は雪だと捉えられるでしょう。
続く4行目、冬から春への移り変わりが感じられます。
つまり主人公が君の死から立ち直り、再び時が動き出したことを意味しているのです。
2人が見ていた景色、そして色の違いが、現在の2人が置かれた状況の違いを表現しているのですね。
粋な演出?!
冬に経験した別れを乗り越えたことで、主人公の心には無事に春が訪れました。
主人公が死の痛みに囚われていた期間=冬を何とか乗り越え、前を向いたことでようやく訪れた春です。
そしてこのシングルがリリースされたのも、冬が終わり穏やかな春真っ盛りの4月。
このリリース時期さえ、主人公の心の動きにあわせた演出の1つに思えてなりません。
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