まだ前を向けていない
もう君を愛せないんだ
もう君に愛してもらえないんだ
なのにさ僕の気持ちはまだ
何ひとつ 変わってない
味のしない朝食を さっと済ませて
仕事に行かなきゃだよ
出典: 恋唄/作詞:清水翔太 作曲:清水翔太
サビの歌詞からは別れを告げたのは「君」の方だったということが読み取れます。
「僕」は確かに「君」に合わせようと無理をしていました。
最初から合わないことも何ひとつ釣り合っていないことも気付いています。
全部分かった上で一緒にいたいほど「君」のことが好きで仕方がなかったのです。
「君」の隣にいるための努力ならいくらでも続けられたのでしょう。
しかしそれは「君」が望んでいることではありませんでした。
もう求められていることは何もないとハッキリと分かったのでしょう。
悲しいけれど受け止めなければいけない現実にまだ気持ちがついていきません。
それでも無情にも時間は流れ、これまでと変わらず日常を過ごしていかなければいけないのです。
眩しくて見えなかったこと
あまりにも眩しい世界にいた
こわいものなんて何もなくて
「君が居る」それが心の拠り所
君を失ってこんなにも
弱い自分に気づいたんだ
出典: 恋唄/作詞:清水翔太 作曲:清水翔太
「君」の隣にいるときの「僕」は幸せいっぱいで周りが見えていなかったのでしょう。
何もかも眩しくて、小さなほんの些細な出来事も一瞬一瞬が輝いて見えるのです。
まるで魔法にかかったように「君」のことしか見えなくなっていました。
それだけ「君」の存在に依存していたのかもしれません。
そんな状態だっただけにいざ別れを告げられると、「僕」は立ち方さえ分からなくなってしまいます。
「君」は見抜いていた
時に君が怒るとき
それは僕が嘘をついたとき
出典: 恋唄/作詞:清水翔太 作曲:清水翔太
「君」は別に「僕」に合わせてもらいたかった訳ではありませんでした。
合わせてくれるのは嬉しいことではあります。
「君」も「僕」のことを好きでいてくれていたのです。
だからこそ“無理をして”合わせている姿に心苦しく思っていたのではないでしょうか。
こんなに自分のことを想ってくれているんだと嬉しかったと思います。
しかし、合わせてばかりでどんどん自分らしさを失う「僕」を見ていられなかった…。
だから「自分の気持ちに嘘をつかないで」と怒ったのでしょう。
それでも「僕」は「君」に合わせることが全てで「君」の気持ちに気付けなかったのです。
「君」がいないとつまらない
世界が色を失っていく
もう悩む事もないんだ
もう君は困らせてくれないんだ
なのにさひとりぼっちで居るとこんなにも
何故かくだらないものに 見えてしまうよ
楽しかったこと 全部
出典: 恋唄/作詞:清水翔太 作曲:清水翔太
恋人がいると何かと相手のことを考えてしまうことはありませんか?
観たいテレビがあるとき「あ、一緒に観るかな」と思って観ないでおいたりなど。
自分が勝手にそうしているだけで決して縛られている訳ではありません。
でもどこか自由ではないような息苦しさもあるでしょう。
別れるとその目に見えない縛りから解放されて少しスッキリした気持ちになれるはずです。
しかしキラキラと眩しかった世界が、別れた後は一気に色を失っていくのです。
あんなに輝いて見えたものすらくだらなく思うようになってしまいました。
それだけ「僕」は「君」の影響を受けていたということが読み取れるでしょう。
「君」の何にもなれなかった
結局は君を
救えなかった気がしてるよ
僕が弱すぎたね
せめて優しい誰かと居て。
出典: 恋唄/作詞:清水翔太 作曲:清水翔太
「僕」は何も「僕」のために「君」に合わせていたわけではないということが分かります。
ただ隣にいたいから合わせていたわけではありません。
好きな人には笑っていてほしい、それが「僕」の本当の願いだったのでしょう。
しかし「僕」にはまだ「君」を笑顔にする力がなかったのです。
2人は一緒になるにはタイミングが早かったのかもしれません…。
最後の一文からはこの恋を諦めたということが伝わってきます。