Hump Backの楽曲「LILLY」を解釈!
「LILLY」はHump Back(ハンプバック)のメジャー1stフルアルバム「人間なのさ」リード曲。
高校時代に結成されたバンドがメンバー交代などの紆余曲折を経て、ようやく辿り着いたメジャーアルバムです。
その1曲目を飾る楽曲ということで気合が入っていて、情報番組のテーマ曲にも起用されました。
ファンの方にはおなじみですが、どこかで聴いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
チャットモンチーのトリビュートアルバムにも参加するなど、ポップで元気なガールズバンド。
そんなイメージがある彼女たちですが、同楽曲の歌詞には「さよなら」という言葉が出てきます。
別れを告げるのか、告げないのか。
また、誰のことを歌っているのかも気になるところです。
アルバムのリード曲であり、MVが作成されている。また、rockin'onの峯岸利恵は、本曲の歌詞について、(林自身は明言していないとはしながらも)林の愛犬の死がきっかけとなって書かれたのではないかと指摘している。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/人間なのさ_(Hump_Backのアルバム) LILLY
上記のように、ファンの方なら「林萌々子さんが飼っていたペットの犬では?」という説もご存知でしょう。
その点も踏まえて歌詞を解釈します。
歌詞をチェックしよう
誰の寝息?ほっぺた?
寝息ひとつ聞き逃さないように
しょうがない程君を見つめてる
やわらかくなったほっぺたに
指をしずませる
出典: LILLY/作詞:林萌々子 作曲:林萌々子
冒頭の歌詞でわかるのはこの歌物語の主人公が、眠っている誰かの近くにいるということ。
しかもその誰かを注意深く凝視していて時には頬を突いたりもしています。
作詞作曲およびボーカル&ギターは林萌々子さんなので、ひとまず主人公を女性と仮定してみましょう。
すると彼氏の寝顔を眺める、かわいい彼女というイメージが沸いてきます。
スースーという呼吸音すら愛おしく一挙手一投足を見守っている感じです。
いつもはキリッと引き締まった頬も、眠ると少し緩むのかもしれません。
もしかしたらえくぼがあって、ピンポイントで突いてみたくなった可能性も考えられます。
あるいは頬を刺激することで、目を覚ますよう促しているのでしょうか。
これらはすべて冒頭の歌詞から想像される、仮定のストーリーです。
何しろ登場人物が誰と誰なのか、これがはっきり描かれていません。
そのためラブソングが始まったのか、あるいは他の関係性の物語なのか、断定できないことになります。
しょうがない理由
男女の恋愛物語という設定で想像を膨らませてみましたが、もしかしたら違うかもしれません。
大好きな彼氏でも、これほど真剣に寝顔を見る理由がわからないからです。
しかも主人公自身、相手を凝視したところで仕方がないと自覚しています。
ラブラブだから彼氏に熱い視線を送るだけで幸せ!というよりは、心配だから見守っている感じ。
お母さんが子どもに添い寝をしているとか、他にも何か理由があるような雰囲気が漂います。
さよならの場面なの?
ため息が出る理由
愛しさひとつ
取りこぼさないように
ため息出る程 君を抱き寄せる
さよならはまだ言わないよ
君じゃなきゃ まるでダメなんだ
出典: LILLY/作詞:林萌々子 作曲:林萌々子
劇的な変化のあるパートです。
記事冒頭でお伝えした別れの言葉が出てきます。
相変わらず相手が誰なのかは不明のままですが、本来であれば別れを告げなければいけない場面のようです。
主人公が落胆しながら相手を抱きしめる様子が描かれています。
冒頭のパートで寝息を立てていたのは相手でしたが、ここでは主人公が悲しそうな吐息を漏らしているわけです。
呼吸する人物が相手から主人公に変わったということで、どうやら相手は息を引き取ったと考えられます。
例えばこれまで相手は重い病気にかかっていて、主人公は心配のあまり片時も目を離せなかった感じです。
しかしとうとう亡くなってしまった。
だから抱きしめたという流れです。