BUCK-TICK【MOONLIGHT ESCAPE】歌詞の意味考察！どこへ行く？月に舞う真意を読む

布団ではなく、マントという言葉を使われているのは旅というイメージからきているのでしょう。

旅立つ準備はもう整っているんだという風に受け取ることもできます。

そして、その後には夢の夢というキーワードがあります。

夢の中で夢を見ている時、その夢の内容が表しているのは寝ている人の願望です。

このことから、自分が何を望んでいるのかを夢の中に入ることで確かめようとしているのでしょう。

悲しみの反対は喜びだと考えられます。

そこから、歌詞の中に出てくる子どもが望んだものは、愛情と喜びです。

このワードを何度も繰り返していることから強い思いが伝わってきますね。

そして、愛という表現が歌詞の中で悲しみという言葉より使われています。

このことから、愛情に飢えているのでしょう。

両親や周りからの愛情を受け取れなかった分当然だといえます。

虐待やイジメを受けた子どもは、どうしても自己愛や自信が失われていくものです。

曲の中で何度も繰り返すことで、それらを大切にして欲しい思いが伝わってきます。

眠りから覚めて自分の両親、または自分が居た悲しい世界に別れを告げています。

その後に高く高くと2回続けているのに加えて、“タカ‥ク　タ‥カ‥ ク”と独特な表現をしています。

このことから分かるのは、この”高く”というワードに深い意味が込められていることです。

ここで強調したいのは、「方向性」です。

高くということから、上に向かっていきたいことが分かりますね。

そして、“タカ‥ク　タ‥カ‥ ク”と表現することで切望している様子も伝わってきます。

向かう先は、MVでBUCK-TICKのメンバーが月で歌っていることから月です。

ボーカルの櫻井 敦司が感じる月のイメージは”孤独”だと発言しています。

ここでいう”孤独”が意味するのは、「音楽と人2016年10月号」インタビューで答えられています。

それは「強さ」です。

曲の前半では、”一人”であることに寂しさを感じていました。

しかし、”孤独”であるからこそ、他人との比較をする必要が無くなり自分へ愛情を注ぐことができます。

さらに、虐待やイジメからも解放されるので、悲しみからは永遠に逃れることができますね。

夜が明ける前に旅立つといっていたのは、月が見えなくなってしまうと旅立てないからです。

竹取物語に出てくるかぐや姫のような話ですが、違うのは、望んで月に向かったということですね。

また、自分の親に対する感謝への気持ちが現れていることは、共通点ともいえます。

竹取物語で月が意味するものをご存知でしょうか？

それは、仏教と関係があります。

死んでは生まれ変わる輪廻が存在し、その中から外れる涅槃を目指すという教えが仏教にあります。

月は、その涅槃後の天上世界を表しているのです。

そう考えてみると、死後の世界と捉えることもできますね。

最初の歌詞で踊り出すという表現を使用してから、曲の終わりまで”舞う”という単語が使われています。

このことから、子どもはずっと舞い続けていることが分かります。

踊り出すというのは比喩表現だと先述しました。

そこから、最初から最後までこの音楽に身を委ねていることを示唆しています。

また、月というワードから想起できるのは、無重力です。

月へとふわりと浮きながら向かっていくようなイメージや、月の上で漂う様子を想像できます。

ここで提起しているのは、何にも縛られない「自由」でしょう。

この歌詞には、踊るような表現が見当たりません。この意味を推測していきます。

先ほど”舞う”という言葉には、「自由」という意味があると推測しました。

ここでは反対の感情が込められていると考えられます。

ここで述べられている”一人”という言葉にはネガティブな感情があると説明しましたね。

そのため、この歌詞には踊るような表現が付いていないのでしょう。

月に向かう前と向かう後で対極的に表現して、”一人”に対する心情の変化が伝わりやすくなっています。