そんな主人公ですが、「君」と出会ったことで彼を変化させていきます。
今までは自身の心に閉じこもっていた主人公。
しかしそうしてはいられないほど、「君」という存在に惹かれていきます。
サビ(2番)
絶望の淵に僕らは
感情のまま身勝手さ
答えの見えない僕らと
一生付き合ってくんだろ
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
2番のサビです。ここでは1番では出てこなかった「絶望」という言葉が登場しています。
この言葉が何を表しているのかは前後から推測するしかありません。
恐らく、「君」との出会いが関係しているのではないでしょうか。
主人公にとって変化の象徴でもある出来事です。
それによってもたらされたのはきっと良いことばかりではなかったのでしょう。
想いを巡らす度に
この思いを伝える度に
生まれた感情は僕を育てるのかな
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
ここではそんな「君」への想いを語っています。
「君」との出会いが主人公にとって大きな出来事であったことは間違いありません。
その感情によって、彼自身もさらに変化を続けていきます。
そんなことが彼にとっては成長といえるのかもしれません。
「やどりぎ」が意味するもの
「やどりぎ」みたいな恋
ふらふらになってしまいそうな声を叫んでみたことなどあるかい
くらくらになってしまうくらい夢中で誰かに溺れたことなどはないかい
ちっぽけだったはずだったその心の形が歪になってしまっても
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
そして、Cメロとなるこの部分。
この物語が意味するのが何か、薄々分かりつつも少しぼんやりとしていました。
しかし、このパートによって確かに恋愛であると推測できるようになっています。
特に2行目、人に対して「溺れる」という表現が用いられており、恋を連想させる表現です。
そして、3行目では心が変形してしまうと歌っています。
これは恐らく、心をかき乱されるような出来事を指しているのでしょう。
この歌詞は何を表している?
宿り木の下で僕ら あの日の約束を互いに確かめあった
君をきっと僕は待ってたんだ
その答えをぎゅっと今抱きしめてみた
出典: やどりぎ/作詞:Eve 作曲:Eve
ここで歌詞中で初めて登場する「宿り木」。
タイトルと同じものを指していると思われますが、ここでは漢字で表記されています。
ここでの2人は何かの約束を思い出しているようです。
ここでのヤドリギは、何を意味しているのでしょうか。
外国ではこのような伝説があるようです。
古代ケルト族の神官ドルイドによれば、宿り木は神聖な植物で、もっとも神聖視されているオーク に宿るものは何より珍重された。
クリスマスには宿り木を飾ったり、宿り木の下でキスをすることが許される。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤドリギ
神聖であるとされるヤドリギという植物の下で「キスをする」ということ。
それは特別な意味を持っているようです。
この歌詞パートは、そういった言い伝えを引用しているのでしょう。
つまり歌詞に登場している2人にとって、この場面は特別なものであるということです。
そして3行目では2人に、「ある答え」が出たことを表しています。
恐らくこれは主人公にとっての今までの「君」との関係に対する悩みに関する答えではないでしょうか。
だとすると、その答えを大事そうに抱えている描写から分かることがあります。
それは主人公にとっても「君」にとっても、それがハッピーエンドな答えであるということです。
絶望や矛盾などの葛藤と戦いながら、2人は2人なりの答えを出したのでしょう。
Eveが表現したかったこと
主人公のことを変えた「君」という存在が、彼と世界との関係を繋ぎ止めてくれたのでしょう。
ヤドリギという植物をモチーフとしているため、君への依存を描いているように思えます。
しかし、最終的には主人公が自立していく様を表しているのです。
これは主人公が「君」を通してアイデンティティを確立する物語だといえるでしょう。
「やどりぎ」は、Eveらしい表現で恋によって人生を立て直す様を描いた物語でした。