旅を連想する歌詞の多いBUMP OF CHICKEN。
この楽曲でもその世界観が遺憾なく発揮されています。
バンドとして活動してきた軌跡を旅に重ねています。20年という長い活動の中で、決して安定した道ばかり進んできたわけではないでしょう。
そうやって荒波や嵐に揉まれてきたことで、音楽を始めた頃の気持ちを取り戻すのはもう難しいかもしれません。
しかし、それでも変わらない想いはずっと胸の中にあります。
時を奪う雨と風の中で 見えなくなって 聞こえなくなってしまった 体だけが自動で働いて 泣きそうな胸を 必死で庇って
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
突き進んでいけばいくほど、その嵐は深くなっていくことでしょう。
音楽の道という険しい道を選び、それでも続けてきた背景には様々な葛藤や苦悩があったのではないでしょうか。
それでも必死に曲を作り、ライブをしてきたのはやはり音楽への愛があるからなのです。
止まったら消えてしまいそうだから
痛みとあわせて心も隠して
振り返ったら吸い込まれそうだから
今を繰り返す 臆病な爪と牙
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そうやって続けていくことの大切さがさらに歌われています。
どんな葛藤や苦難があったとしても立ち止まってしまったらそこで全てが終わってしまいます。
本当は苦しくてつらいでしょう。それでもそんな自分たちとしっかりと向き合って前だけを見て進んでいこうという決意が感じ取れます。
ここにいるためだけに 命の全部が叫んでいる 涙で出来た思いが この呼吸を繋ぐ力になる いくつもなくなったあとに 強く残った ひとつ残った
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
これだけの決意を持って続けてきた音楽であるからこそ、想いも強くこもり、多くの人の心を動かす原動力になっているのではないでしょうか。
音楽は作ってリスナーに届いたら、リスナーのものになります。
BUMP OF CHICKENから離れても、リスナーの胸の中に深く刻まれ、残っていくものなのです。
その声は流れ星のように 次々に耳に飛び込んでは光って 魚のように集まりだして 冷たかった胸に陽だまりが出来た
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そして、日々支え応援してくれるファンへの感謝が感じ取れる歌詞が訪れます。
ファンからの声援や応援は光となって、メンバーの心に降り注ぎます。
それがまた活力となって、温かい気持ちで音楽を生み出していくことに繋がっていくのです。
オーロラが広がっているって知った ふと足もとの虫と目が合って笑った 自分のじゃない足音と会った 全てその声が見せてくれた
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
そんなファンの応援から、ちゃんと自分たちの音楽が広く届いていることを改めて認識しました。
ここまで進んでこれたのは自分たちだけの力ではありません。
冷静になって周りを見てみたことで、たくさんの仲間やファンの人たちと共に進んできたことに気付くことができたのです。
普通の触れ方を知らないから 戸惑っていたら触れてくれた手に どれだけ夜をくぐり抜けても ずっと冷めないままの熱が 脈を打つ
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
自分の人生がどうなっていくのか、どんな風に生きていけばいいのか、それは誰にも分からず不安や迷いはみんな持っているのではないでしょうか。
それでもそばにいて支えてくれる人がいることで、勇気付けられ乗り越えられることはたくさんあるのです。
君がいるそれだけで命の全部が輝く 凍りついた心にその鼓動が響き火を灯す わからないままでも側に 君の側に 一番近くに
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
だからこそ、そうやってそばにいてくれるあなたへ、命を燃やし、しっかりと届く音楽を返していくことが大事になります。
そんな恩返しの気持ちを感じ取ることができる歌詞になっています。
空っぽの鞄は空っぽで
愛しい重さを増やしていく
重くなる度怖くなった
潰さないように抱きしめた
掴むよ 掴んでくれた手を
闇を切り裂け 臆病な爪と牙
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
この旅を続けていくのに余計な荷物は必要ありません。
仲間やファンのみんなからいつももらっている大切な気持ちがあれば前へ進んでいくことができます。
そして、その気持ちはどんどん胸の中になだれ込んできます。
恩返ししきれるのか不安かもしれません。
しかし、大切に胸にしまって、さらに良い音楽で返していこうと決意を新たにしています。
ここにいるためだけに 命の全部が叫んでいる
ちゃんと守れるように 作られた体で生まれたよ
出典: ファイター/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央