aiko「染まる夢」
今回はaikoの「染まる夢」をご紹介する記事です。
出だしから、彼女の伸びやかな歌声が聞こえてきます。
そこへ、いつものピアノやギター、ドラムといった編成のバンドサウンドが絡み合う構成。
特にサウンド面では、ドラムを基盤としたリズミカルなフレーズが印象的です。
aikoのソングライターとしての側面を強く感じる楽曲となっています。
今回はそんな「染まる夢」の歌詞に注目し、その意味を解釈していこうと思います。
それでは早速、冒頭の歌詞から順に考察していきましょう。
「染まる夢」1番
隠し切れない気持ち
あからさまにこんな態度であたしはこれからどうするんだろう
あなたを好きになったのは明確で
あれもこれもそれもしたい このままずっと一緒にいたい
こぼれる想いと罪悪感がすれ違う
出典: 染まる夢/作詞:AIKO 作曲:AIKO
この楽曲の主人公の女性は、誰かに対して恋をしているのだと分かります。
aikoならではの恋の情景描写が炸裂している部分です。
まず、主人公はある男性のことを好きになったということが分かります。
その相手に対して好きである気持ちを隠し切れていない状態なのでしょう。
3行目ではそんな気持ちが溢れてしまっています。
彼に対して盲目になっているような状態なのでしょう。
しかし、そんな風にすることは叶わないと彼女は分かっている。
そのことが4行目の歌詞で分かります。
彼女には彼と一緒にいることに「罪悪感」があるということが分かります。
何故なのでしょうか。
この恋は、何か理由があって許されない恋なのかもしれません。
そんなことをこの部分から想像してしまいます。
心を照らす太陽の光
あの太陽はきっと見る事が出来ない
出典: 染まる夢/作詞:AIKO 作曲:AIKO
この太陽というのは何かを例えているのでしょうか。
主人公が恋をしている彼に関係していることは間違いありません。
太陽というのは、あらゆるものを眩しく照らします。
心の中さえも、透けて見えるような強い光です。
そんなものを見られないということが表していること。
それは、彼女に何かやましいことがあるという意味だと考えるのが妥当でしょう。
やはり、主人公と彼とが付き合うのは許されざることなのだとこの1行から推測できます。
夢の中
夢と現実の境界
眠りが浅く何度も見る夢の支離滅裂が
境目を気付かず侵してく
出典: 染まる夢/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そんな風に彼のことを思うようになって、夜も眠れないようになっているのでしょうか。
夢なのか現実なのか、そんな風に考えることもあるのかもしれません。
頭の中が彼のことでいっぱいになっている様子が感じられます。
主人公の自制心
やめたってどうせ同じだよ 何度も見せてあげるよ
優しく来ないで あなたの足音
出典: 染まる夢/作詞:AIKO 作曲:AIKO
やめようとしても、夢の中で彼のことを考えてしまうのでしょう。
無意識に、彼を求めてしまっているのかもしれません。
そんな彼女のところへ来る、彼の足音。
その甘美な響きに心が奪われていっているようです。
しかし、それに誘われてはいけないと自制しているのでしょう。
主人公は、彼が近くに来ないでほしいと願っています。