まあいいでしょ 何度もそう すがりたくはない
連なった誤解 今ならもっと
用意周到にやり過ごせそうじゃない you were mine
未だ巣食っていた 嗚呼
出典: シーズンサヨナラ/作詞:浮雲 作曲:浮雲
そういう結論に至ったけれど、もうそれで異論ありませんよね?
私もあなたに何度も何度もすがりつく気はありません。
これまでいろいろな問題があってたくさんイザコザしてきた。
それも、今ならこんなおおごとになる前に、もっとうまく隠し通せたと思いませんか?
お互いの本質がわかった、今なら…
なんて…私ちょっと未練がましいですね。ごめんなさい。
冷めきった様子で諦め、もうスッキリしたような彼女でしたが実はそうではなかった。
笑いながら話してはいても、要所要所に未練がにじみ出てしまっているのです。
「あなたは私のもの」
そういう思いがいまだに拭いきれていないのですから。
終わった季節は戻って来ない
全てを見透かした彼女の言葉
どんな邪が 胸を侵して
いつか枯れ落ちていくの
対になっていたって 輪郭がぼやけて
視線 捕まえられずに
また会う日なんて 余韻は捨てて
見えないところまで行って
あなたは知らないの 過ぎた季節が
繰り返すことなどないって
出典: シーズンサヨナラ/作詞:浮雲 作曲:浮雲
ここでまた縒りを戻しても結果は同じ。
一緒にいればいつかは相手のことが見えなくなる。
あなたは幸せだった過去が同じように、この先巡ってくるかもしれないと思っているのでしょう?
残念だけど、そんなことはありえない。
だから次に繋がる言葉なんて、この別れ際に言わないでください。
彼は色々とはぐらかして逃げてはいても、この先またいつか復縁するかもと思っています。
しかし現実はそうではない。
一度別れを決意したらそこから先、偶然出逢っても再び復縁することはないのです。
仮にあったとしても、過去と同じように幸せな時間が戻ってくるわけではない。
なぜなら、一度はお互い、相手を信じることを辞めた関係なのですから。
そういう事実を、彼女は理解しているので彼を遠ざけます。
彼女にも未練がないわけではない。
戻れるなら戻りたかった。
でも別れることを決心したのです。
決心はしたけれど、まだまだ揺らいでしまう状況に、彼からの未来を予感させる発言は少し響いてしまいます。
だからこそ、ここでハッキリさせたかったのです。
ハッキリさせるための言葉。
それが、この後の最後の一言に込められます。
冒頭の言葉の真意が明らかになる瞬間
季節知らないままさよなら
出典: シーズンサヨナラ/作詞:浮雲 作曲:浮雲
同じ季節は毎年巡ってくるけれど、全てが同じなんてことはあり得ない。
それは恋愛でも同じこと。
だからこの先、復縁することなんてあり得ません。
私がそう言ってもあなたは信じないでしょう?
それが事実だと知らないままに、あなたは生きて行くのでしょうね。
もう二度と出逢うことのない、私の愛しい人。
思い出は美しいままで…さようなら。
こういう場合、過去にすがったり、「またね」と言って先を予感させたりするのは男性です。
復縁を申し出るのも、統計的には男性からが多いらしいです。
しかし女性は概ね終わった恋愛に対して同じ愛情で復縁する可能性は低いとも言われます。
そんな男女の関係をわかりやすく、女性目線で描いたストーリーですね。
女性側も冷たすぎず、未練も感じさせながらという部分に優しさを感じました。
これで『シーズンサヨナラ』の歌詞の解説を終わります。
まとめ
男女の別れを女性視点で描く『シーズンサヨナラ』の世界観。
いかがだったでしょうか。
よくある話だと思いますので、共感できる部分は多かったのではないでしょうか。
バラードではなくポップな曲調が、別れ際の雰囲気を物語っていますね。
人間の内側を描き出すことでリスナーの心を揺さぶる東京事変。
他にも名曲はたくさん存在しています。
もし興味を持っていただけたなら、一度アルバムをお手に取ってみてはいかがでしょうか?
【ご紹介】男女の関係を描くダークな作品『東京事変/入水願い』
この『シーズンサヨナラ』と同じく、アルバム曲における名曲を解説した記事をご紹介します。
1stアルバム『教育』に収録されている『入水願い』という曲。
この曲も男女のあれこれが描かれている作品ですが、テーマや雰囲気は重めですのでご注意を…