二回目のサビパートでは、残酷な運命を垣間見せられる気分になります。

最初のサビでは仄かにあった希望さえも、ここでは目にすることができません。

躊躇なく過ぎ去ってしまうもの

時計の針は戸惑いなく 過ぎ行く春の欠片たちよ
かすかに香る真夏の気配に ふわり揺れながら
優しい秋は前触れなく 凍てつくような冬の影まとい
涙にぬれた蕾を抱きしめ ただ春を待っていた

出典: 季路/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大

どんなに願っても、時計の針は躊躇なく前に進んで行きます。

あんなに待ち望んだ春は今は欠片となって、夏の気配の中に漂うばかりです。

それはおそらく、魏無羨と藍忘機との関係にも通じているのでしょう。

そして春が来るどころか、季節は一気に暗い冬へと向かっていくのです。

満ち足りた日々は無情にも過ぎ去り、ただ、春を待つことしかできません。

今はまだ苦難の中にある

今 螺旋の中

出典: 季路/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大

そして、ダメ押してくるのがこの一節ではないでしょうか。

ここでいわれる「螺旋」には、どんな意味が込められているのでしょう。

思うに螺旋とは、二人の主人公を取り巻く運命を表しているのではないでしょうか。

終わりのない渦を巻く螺旋は、彼らの関係が前に進まないことを暗喩している気がします。

前に進むことのない悪い状況の中に、今はまだ囚われ続けてしまっているのです。

その季節を切望したことを何度でも思い出す

季節は巡る
辿って 迷って
何度もう躓いては
同じ花届けるために

出典: 季路/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大

時間は、常に前に向かって進んで行きます。

季節もまた、然りです。

同じ季節が何度巡ってこようとも、迷いもあれば失敗もあります。

それでも前に進んで行こうと思うのは、ひとえに花を届けたいからでしょう。

春を呼ぶ花を届けることで、その季節がまたやって来ることを切望しているのです。

「魔道祖師」の二人の主人公にとってのそれは、真に互いを思い合える関係でもあります。

そんな関係にまた戻りたいのだということを、覚えておきたいのではないでしょうか。

そして曲は、最後のサビパートを迎えます。

歌詞の内容から、やはりまだ春は来ていないのだということが分かるかと思います。

あの 螺旋の中

出典: 季路/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大

二人が気持ちを通じ合わせる時は、残念ながらまだそこにありません。

ただ最後のこの一言で、聴く者を安堵させてもいるのではないでしょうか。

中盤のパートで「今」となっていた部分は、こちらでは「あの」と変化しています。

この些細な変化に、希望を見出すことはできないでしょうか。

「あの」ということはつまり、過ぎ去った時間の向こうからの視点だと思われます。

端的にいえば、過去のことを指しているとも考えられるのです。

螺旋には前に進まない二人の関係があるのではとしていましたが、それが今は過去のことなのです。

現在がどういう状況なのかは、想像するしかありません。

ただ、そこにはほんの微かでも、いいように進んだのではないかという希望を感じませんか。

【季路】にはささやかな希望の光が灯る

Aimer楽曲には、寂しさや厳しさを感じることも多いです。

そのせいか、オープニングよりはエンディングテーマに選ばれることが多いようです。

しかしながら同時に、絶望や諦めばかりを表現しているわけでもありません。

悲しいことや辛いことがあっても、そこには必ず、微かな希望の光が灯っているように思うのです。

今回の【季路】もまさにそうで、最後の一節に救いを感じた人もいるのではないでしょうか。

そしてそれが「魔道祖師」のTVアニメの世界観と、絶妙にマッチしているのです。

Aimer楽曲は他にも、多くのTVアニメや劇場版アニメの挿入歌に選ばれていますね。

【LAST STARDUST】も、そんな一曲です。

「Fate/stay night[Heaven's Feel]」という人気アニメの劇場版の、挿入歌として起用されています。

こちらも作品の世界観に非常に合った曲なので、一聴の価値はあります。

 人気ランキングを紐解けば、さらに様々な楽曲に触れられるはずです。

Aimerから作品に入るのも、作品からAimerに入るのも、どちらもおすすめです。

謎の歌姫Aimerについて調べるとともに、人気曲ランキングも公開します!気になる1位はどの曲なのでしょうか。歌詞解釈、動画も掲載しますよ。

Aimerの「LAST STARDUST」はもともと「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」のOP候補としてAimerが提案し、挿入歌として使われることになった曲です。今回は、挿入歌として使われることになったエピソードとともに、世界観を見事に表現した歌詞の意味を考えてみます。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね