【夕立ち/After the Rain(そらる×まふまふ)】雨は止んだ？深すぎる歌詞の意味を解釈！

「檻」とは、主人公が属しているコミュニティ、もしくはこの世界のことだと思います。

大人になっていくことへの恐怖心と戸惑いが「身体は大きくなるのに」という歌詞に表れていますね。

「君」の存在がここで明らかにされるわけですが、「君」とは主人公にとってどういう存在なのでしょうか?

少年時代を一緒に過ごした親友なのか、ライバルなのか、まだここでは分かりません。

ちなみに、友情を描いた日本映画の名作と言えば、北野武監督の『キッズ・リターン』が挙げられます。

男と男の友情ですが、『夕立ち』のテーマにも共通するものがあります。

「逃げ出してしまいたい」という、主人公の本音が垣間見えます。

きっと主人公と「君」は、本音で語り合える仲だったんでしょう。

しかし、強がるときはトコトン強がってしまうので、お互い傷付け合ったこともあったのだと思います。 

こういった関係は、大人になってからだと築きにくいですが、純粋に相手の心を思いやれる少年時代だからこそ築けたのでしょうね。

2番サビの歌詞は、『夕立ち』の中で一番重要な部分だと思います。

それは、「君」の存在が主人公の親友もしくは仲間だと分かるからです。

「明日も仲間と言えた」という歌詞から分かります。

「傷つけあって 喧嘩して」という言葉は、もしかしたら恋愛関係でもそういう状態があるかもしれませんが、「知ったふうな口利くな」と、なかば相手を挑発する言葉は、やはり親友関係だったとみるのが自然です。

Cメロのメロディーは、Aメロ・Bメロ・サビとも違う、やわらかい雰囲気になっていますが、歌詞は辛らつです。

「思い出」を「ごみに捨てた」のか問いかけたり、「ボクを手放して」と言いはなったり、この2人にはさまざまな軋轢があったのでしょう。

「もういいかい?」というのは、約束していたことを反故にする意味なのか、それとも鬼ごっこの鬼が問いかけるような、例えとしての「もういいかい?」なのか、どちらとも取れる歌詞です。

この歌詞は、2人が長い時間を一緒に過ごしてきたことを表していますね。

「逆剥けのココロ」と主人公は言いますが、それは「君」にとっても同じでしょう。

2人のやりきれなさが、素直に言葉に出ています。

最後のサビは1番目のサビとほぼ同じですが、変更されている点があります。

それは1番目の歌詞が「嫌われ者になっていくの」という問いかけだったのに対し、最後のサビは「嫌われ者じゃ愛せないよ」という、説得の言葉に変わっています。

1番目の歌詞は、おそらく主人公が「君」に対して言ったセリフだと思います。

最後のサビは「君」から主人公へあてた「答え」なのだと思います。

そこには親友からの愛情がこもった言葉がありますね。

自暴自棄になりかけている主人公を完全に突き放さないで、ギリギリのところで抑えています。

それは、親友でもあり、ライバルでもあり、仲間でもある「君」からのメッセージなんです。

いかがでしたでしょうか?

今回は「After the Rain」の『夕立ち』を紹介してきました。

少年時代の友情を歌ったこの曲ですが、この作品に出てくる2人は、親友関係を越えた相棒なんだと思います。

相棒だからこそ、何かあったときにオブラートに包んだ言い方をするのではなく、相手に対して本音をぶちまけるのでしょう。

これはまったくの想像ですがおそらく、この歌詞に描かれた状態より2人の関係性はもっと良いのではないでしょうか?

愛情の裏返しで相手に対してきつく当たってしまうんですね。

これもまた一つの友情のあり方だと思います。

最後に友情を歌った名曲、「クイーン」の『マイ・ベスト・フレンド』を紹介します。

『夕立ち』を聴いた後に、ぜひこちらも聴いてみて下さい!!