いま感じている気持ち
永久に思うほど
耐えられぬ退屈を
遺書に記して
判決の時を待つ
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
ぼくりりがいま感じているその気持ちを、彼はここで「退屈」と記しています。
それは活動を終える理由にも繋がるのではないでしょうか。
今まで数々の歌詞を書いてきた彼ですが、ぼくりりとしてできることはやり切った。
そんな気持ちを持っているのでしょう。
それが正しいか正しくないかはリスナーが決めること。
後悔はなく、ぼくりりとしての決意だけがある。
そんな印象を受けます。
2番のAメロ
「ぼくりり」を終える気持ち
正解か不正解か やってみなければわからないというのが
結局のところです
丹精込めて育てた偶像を
今日を持って破壊することに決めました
お世話になりました
またどこかでお会いできることを祈っております
祈っております
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
1番のサビが終わると早口でまくし立てられるのが2番のAメロの歌詞です。
何かを始めた時、最初から物事の善し悪しを判断できる人はこの世にはいません。
結果的に、彼は自分自身で作り上げたぼくりりという存在を終わらせることを決意しました。
そこには葛藤もあったと思いますが、この曲中ではとても清々しい様子です。
このパートの5行目からの歌詞で彼は驚くほどさっぱりと、ぼくりりを手放そうとしています。
それは苦悩の末に導き出された結論なのかもしれません。
しかし彼にはどちらかというと、肩の荷が下りるという気持ちもあったのでしょう。
6行目で彼は、また違う形でリスナーと会えることを願っています。
それは彼が前向きであり、彼が進む未来が明るいことを表しているのでしょう。
葛藤と苦悩
(気付かぬうち、自分で自分を呪っていた)
(言葉を解さない石ころに、一人で話し続けていた)
(意味がない、切りがない この歌もきっと響かない 誰にも)
(願わくば、この言葉たちが誰かを呪いませんように)
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
丸括弧で覆われた次のパートでは、一転して心の内を吐露しています。
ここでは、今までの活動での葛藤を表しているのでしょう。
活動を続ける中で、自分で自分を苦しめるようになってしまったぼくりり。
いつしか、自分の歌が誰かのためになっているのかということも疑い始めるようになります。
彼は自分の言葉が誰かを傷つけてしまわないかと心配するようになっていったのでしょう。
これは言葉が届けられる人間ならではの悩みです。
彼自身その自覚を持って、今まで自分の音楽と向き合ってきたのでしょう。
2番のサビ
彼が気づいたこと
言葉なんて 気休めでしか無いと
気づいてしまったから
理解しあうなんて
絵空事にはもう耐えられない
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
彼は自分の言葉と向き合いながら、同時に言葉へ疑問も抱くようになります。
自分が歌詞で何をいったところで、意味を成さないのではないか。
言葉では何も伝えられないのかもしれない。
そんな彼の心の中で巻き起こる苦悩が感じられます。
これは彼が「ぼくりり」として活動を終えたことにも少なからず繋がっていると考えられるでしょう。
自分の哲学を貫く
何光年の距離があって
届かない光なら
知らないままで
簡単な話だった
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
何も理解し合えないのなら、悩むことはなかった。
彼はここでそういっています。
つまり、人間たちが互いに意思の疎通を図れなければ悩むこともなかった。
そんな風に彼はここで自身の気持ちを吐露しているのです。
ぼくりりとして活動を続ける中で、沢山自身の無力さを感じてきたのでしょう。
そんなことが伝わってくるパートです。