“あなた”に届いたかはわからない
ただ宇宙にこの言葉は漂っている
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
今まで作ってきた彼の楽曲を、世間がどう受け止めたのかは分かりません。
その楽曲に対しての感想は、人それぞれだからです。
しかし、そんな彼の言葉はこの世界で生き続けます。
文明があり続ける限り、数十年経っても誰かが彼の曲を聴くことでしょう。
その事実だけが、彼にとって唯一確かなことなのです。
彼が今までの苦悩や葛藤の末にたどり着いた哲学がここに在ります。
ラストに向けて
Bメロ
永すぎる生のなかで
交差したことを祝いましょう
それ以上は望まない
それ以上は望めない
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
今まで彼が一生懸命に作り上げてきたぼくのりりっくのぼうよみという存在。
楽曲を通して彼は、多くの人と出会うことになりました。
そして、それはこれからも続いていきます。
彼がぼくりりとしての活動を「辞職」しても、楽曲は残っていくからです。
ここではもう彼は、自身の歌詞や楽曲によって誰かに何かを伝えようとはしていません。
彼は純粋に、自分の音楽が誰かに聴いてもらえたことを喜んでいます。
そして、それ以上のことを期待することもしていません。
彼が作り上げたぼくりりという存在が、届くべき人のところで輝き続けること。
それが今の彼にとって、ぼくりりを今までやってきて良かったと思える理由なのでしょう。
ぼくのりりっくのぼうよみとしての最後
Bメロのあと、楽曲は1番のサビを繰り返します。
そして、この楽曲の最後に彼が口にするのが次の言葉たちです。
“あなた”に届いたかはわからない
ただ此処にこの言葉は残っている
出典: 遺書/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:ケンカイヨシ,ぼくのりりっくのぼうよみ
「遺書」という言葉の意味を考えた時、それは残された人のためのものと考えます。
しかし同時に、自分のためでもあるのではないでしょうか。
彼は、その歌詞が誰かに届いているかどうかは気にしていないようです。
安心して筆を置けるように、自分の気持ちを「遺書」に込めたのでしょう。
そこには彼が自分が演じてきた「ぼくりり」という存在をやめることへの思い。
そこに至るまでの道のりや、今感じていることが込められていました。
自身の儚い気持ちや、言葉は無力であるという諦め。
全てを吐き出すかのように、矢継ぎ早に繰り出される言葉の数々。
この楽曲が彼の最後に一番伝えたかった言葉たちであることは、タイトルからも一目瞭然です。
彼は「遺書」の中で自身の言葉を疑問視しています。
しかし、彼がこうやって真摯に紡いできた言葉が今後も誰かを救うのは疑いようのないことです。
まとめ
今回はぼくのりりっくのぼうよみの「遺書」の歌詞の考察をお届けしました。
彼のこれまでの思いを吐露した楽曲。
今回の記事で彼が伝えたかった気持ちをより深く感じてもらえたのではないでしょうか。
OTOKAKEには他にもぼくのりりっくのぼうよみの楽曲について書いた記事があります。
ぼくのりりっくのぼうよみ/罠はSOIL&“PIMP”SESSIONSとコラボ!歌詞の意味とPVを公開 - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
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