たった6年で作り上げた「伝説」
「BOØWY」といえば1980年代に活躍し、今や伝説のように語られているロックバンドですよね。
たくさんのフォロワーを生み、後のバンドに数々の影響を与えたBOØWYは、1981年結成、そして人気絶頂だった1987年に解散しています。
実質、活動していたのはたった6年。しかし、BOØWYの前と後では楽曲や歌、衣裳やパフォーマンスなど、それまでの「ロック」のスタイルが大きく変わったといわれます。
また、メディアのプロモーションに頼らない戦略や絶頂期での解散など、「ロックバンドとしてカッコイイ」姿勢も魅力のひとつでした。
よく知られたところだとGLAYや氣志團、T.M.Revolutionなどが影響を受けたと語っているほか、音楽に触れたきっかけとして、たくさんのアーティストやバンドが名前を挙げています。
現在「ロック」と聞いてイメージすることの多くは、BOØWYから始まったと言っても過言ではないのかもしれません。
解散から30年、「伝説」の影響力は健在
筆者はリアルタイム世代ではないですが、学生時代にバンドを組んだとき、メンバーと一番初めに合わせることになった曲がBOØWYだった、ということが何度もありました。
最近では親や兄弟、好きなアーティストなどの影響から、若年層の新たなファンも生まれているようです。
意外なところでは、アイドルグループ「℃-ute」のメンバー・岡井千聖も熱狂的な「BOØWY」「氷室京介」ファンで、インタビューなどでもたびたび語っていました。
今も昔も、ロックに憧れるキッズたちのカリスマとして君臨し続けているのです。
たった6年の活動でこれほどまでの影響力を持ち、いまだに影響を与え続けていることこそ、伝説たる所以ですよね。
「季節は君だけを変える」PVをチェック!
「季節が君だけを変える」は、1987年10月26日に発売された7枚目のシングル曲です。
発売した後に解散宣言があり、事実上「BOØWY」としての最後のシングル曲になりました。
このPVといえば、ご存知の方も多いであろう、街の中で生きる若者の姿をひとりひとり映していくアレ、ですよね。
ファンクラブでエキストラを募って撮られた、ありのままの1980年代を感じられる良PVなのですが、残念ながらYouTubeには動画が見つかりませんでした。
かわりに、氷室京介の「季節が君だけを変える」をどうぞ!
BOØWY時代とは違うところもありますが、セルフカバーもカッコイイ!
名曲って、いつまでも色褪せないんですよね…。
ラストシングルに込めた歌詞の意味とは?
BOØWYの歌詞は主にボーカルの氷室京介が書いているものが多く、この「季節が君だけを変える」も氷室が作詞をしています。
氷室は歌詞の内容について、他人の意見で書き直すことは無かったそうですが、この曲は唯一書き直しに応じた曲としても知られています。
なんでも、作曲者でもあるギターの布袋寅泰が「もっと深い、俺たちの関係を書いてほしい」と頼んだそうで、できあがったのは「別れ」が大きなテーマになっている歌詞でした。
変更前がどのような内容だったのかは分かりませんが、このタイトルといい、テーマといい、意味深ですよね…。
レコーディング時には具体的な解散は決まっていなかったものの、「これが最後になる」と、メンバーもスタッフも薄々感じていたそうなので、きっとそれを汲んでの歌詞変更だったのでしょう。
ガラスの中の退屈な街
踊りつかれた今夜バレリーナ
じゃあもうお別れのキスをしておくれ
雨のヴェールで隠れてるうちに
出典: https://twitter.com/boowy_kashi/status/857544713171197953
BOØWYの歌詞らしい、ちょっと斜に構えた心境の別れの場面でしょうか。
「雨のヴェールで隠れてるうちに」、これを逃したら別れられなくなってしまうのかもしれません。
別れるなら今しかない、未練がましいと思わせないうちに、とでも言いたそうです。
いつもテンダネスだけどロンリネス
ガラス細工のフィーリング
出典: https://twitter.com/Peace_sell2/status/852819460603863040
「tenderness」は丁寧に気遣って接する、のようなイメージの「優しさ」ですよね。
「loneliness」は、ひとりぼっちで寂しいという気持ちを含んだ「孤独・寂しさ」です。
いつも気遣われる優しさを感じていた、けれど寂しさも感じていた。
また、「feeling」は、なんとなく受ける感じ、感覚、という意味になります。
お互いの感覚はガラス細工みたいに繊細なものだから、それも仕方ない、と自分を納得させているようでもありますよね。
いつもサヨナラを言えないままに
2人ワザと遠回りしたネ
BABY気分が白い夜には
抱き合うだけで全てを変えられた
出典: https://twitter.com/boowy_kashi/status/936634169941041152
個人的に、BOØWYに対する氷室の気持ちが乗っているのではないかと感じている部分です。
というのも、バンドで活動していた頃から氷室と布袋の仲の悪さは周知の事実だったと言われていますよね。
しかし、お互いが嫌いという感情よりは、お互い真剣にバンドを考えた末のすれ違いだったのではないかとも思うのです。
そう考えた場合、この歌詞の「抱き合う」はライブなのかもしれません。
いくら気分が白けている時でも、ステージに立つと全てを変えられた、と言っているように聞こえませんか?