思い出のバス停で
もう一回、もうこんな人生なんかは捨てたい
夏のバス停で君を待っていたいんだ
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
それでもまた命を絶とうとしてしまう主人公。
この歌詞からも、やはり死のうとしたことが1度だけではないことが分かります。
そして2行目のフレーズ。
バス停は「雲と幽霊」で、主人公と君の思い出の場所として描かれていました。
またあの頃のような幸せな時間に戻りたい、そんな思いを表現しているのです。
負け犬の自分が誇れるもの
負け犬だからさ想い出しかないんだ
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
主人公は君を失った悲しみが大きすぎるあまり、未来に希望を持てずに自ら命を絶ってきました。
そんな自分を“負け犬”だと称しています。
今も未来にも希望がない分、君との楽しかった記憶だけが主人公にとっての誇れるものなのです。
自分自身と向き合わなければならない
逃げるは恥だが役に立つとかいうけど正直立てません
大人になりたくないのにいつから
笑顔が上手になったんだ
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
主人公自身、これまで現実から逃げ続けてきました。
結果として何も役に立つことはなかったと痛感し、後悔しているのでしょう。
現実とも、自分自身とも、向き合うべきだったと感じています。
ただ簡単に命を投げ出してきたわけではなく、周囲とも馴染もうと努力してはいるようです。
しかし外面ばかりが良くなって、中身は何も変わらなくて。
結局、生き辛さを感じるのでした。
これ以上、傷付きたくない
人生なんて余るほどないし
友達なんかはいりません
最低限の荷物を固めて
あなたに会いに行こうと思いました
堪んないね
5! 4! 3! 2! HOWL!
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
他人とつながりを深めていくことに恐怖を感じています。
外面ばかりが良くなるからであり、前世で君を失ったようにこれ以上悲しみを味わいたくないからでしょう。
ひとつひとつの人生は短くとも、主人公の場合はこれまでの前世での記憶も全てがつながっています。
生まれ変わるたびに悲しい記憶が増えていくのは辛いことなのです。
君のために、人生を生きていく
もう自ら命を絶つことはしない
もう一回、もう一個だって落としても死ねない
負け続けても笑った君が白痴みたいじゃないか
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
落とすが指しているのは“命”のこと。
もう自分から死のうとすることは辞めると歌っているのです。
ここまで主人公の君に対する大きな愛情が描かれてきました。
しかしこのまま悲しいだけの人生を繰り返していても、結局は君を悲しませるだけです。
前世で2人が過ごしていた頃。
君はどれだけ苦しい思いを味わっても、何度目かの人生だったとしても、いつも笑っていました。
これ以上命を蔑ろにしてしまったら、君の生き方を否定してしまうことになるのだと気付いたのです。