米津玄師が歌う「パプリカ」が話題に!

米津玄師【パプリカ】歌詞の意味を考察!「あなた」は誰のこと?米津玄師が子供たちに伝えたい思いとは…の画像

誰もが知っていて、誰もが口ずさめる歌。

そう聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。

坂本九の「上を向いて歩こう」、SMAPの「世界に一つだけの花」…。

中には「一番星みつけた」や「赤とんぼ」といった“童謡”を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。

琴線を震わせる美しいメロディと、情景が目に浮かんでくるかのような哀愁の漂う歌詞

何十年と歌い継がれ、今も子供たちは慣れ親しんでいることでしょう。

誰もが知っていて、誰もが口ずさめる歌。

現代の音楽シーンにおいて挙げるとすれば「パプリカ」も、そのひとつといえるのではないでしょうか。

「パプリカ」について

小学生5人で構成されたユニット・Foorinが歌う「パプリカ」。

「<NHK>2020応援ソングプロジェクト」として書き下ろされました。

シンガーソングライター米津玄師が作詞作曲、そしてプロデュースを担当しています。

NHKが「2020年とその先の未来に向かって頑張っている全ての人を応援するプロジェクト」として開始した「〈NHK〉2020応援ソング プロジェクト」による応援ソングとして、米津の作詞・作曲、プロデュースにより製作された。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会により「東京2020公認プログラム」として認証された。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/パプリカ_(曲)

米津の紡ぎ出した壮麗なメロディと、何にも淀んでいないFoorinの純真無垢な声が融合。

ポップでありながらどこか懐かしさを感じさせるサウンドは、聴いているだけで元気が出てくるようです。

「パプリカ」は2018年7月に発表されると、瞬く間に日本中に浸透。

世代も性別も超え、まさに「誰もが知っていて、誰もが口ずさめる歌」となりました。

現代版の“童謡”

Foorinでの発表から約1年後の2019年8月。

米津はセルフカバー音源をMVとともに自身のYouTubeチャンネルに公開しました。

歌い回しも含め、大胆に施されたアレンジが話題に。

洋楽を思わせるエレクトロニックなサウンドに、和楽器といった邦楽ならではのサウンドをアプローチ。

哀愁が漂う音風景は現代版の“童謡”ともいえます。

小学生のFoorinが歌う「パプリカ」と、大人の米津が歌う「パプリカ」。

変わらないのは、その歌詞」のみです。

ただ同じ歌詞にもかかわらず、ニュアンスが違って聴こえてきた方もいるのではないでしょうか。

実はこの歌は戦争で死んだ子供に向けた歌ともいわれているのです。

明るくポップな歌詞なので気づくことが難しいのですが、実は深い意味も隠されていました。

まずは「応援歌」として捉えた場合の解釈を見ていきましょう。

夢を叶えようと頑張る人への応援歌

歌詞でまず特徴的なのは「私」や「僕」といった一人称が出てこないことでしょう。

人物を表す単語として出てくるのは「あなた」のみです。

「今日はあなたとこんなことをしたんだ」「明日はあなたとこんなことをしたいな」

そんな思いが伝わってくるシンプルな言葉は、淡々と並んでいるようでありながら情緒に富んでいます。

では思いを馳せる「あなた」とは誰なのか。

それは「夢を叶えた自分」ではないでしょうか。

歌詞をそのままに受け取れば、友達や好きな人だと解釈することができるかもしれません。

ただ「パプリカ」は「<NHK>2020応援ソングプロジェクト」として、書き下ろされた楽曲です。

つまりこの曲は応援歌

それを踏まえた上で、歌詞を考察していきます。

“今”を視点に歌詞を展開

付き纏う不安

曲りくねり はしゃいだ道
青葉の森で駆け回る
遊び回り 日差しの街
誰かが呼んでいる

出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

自然の中を無邪気に走りながら、友達と遊んでいる様子が描かれています。

最後の1行は「こっちにおいでよー!」と遠くから友達に呼ばれているかのようです。

その一方で、主人公には叶えたい夢が。

「子供とはいえ、遊んでいていいのか?」と、誰かから𠮟咤激励されたような気がしているとも受け取れます。

現実に引き戻されていく

Foorinが歌うこの歌詞は、子供の自分が“未来”に向けて歌っています。

しかし米津が歌うと、大人の自分が“過去”に向けて歌っているように聴こえるのです。

「遊んでていいのか?もっと頑張れよ!」と言われながらも、ガムシャラでいれたあの頃。

最後の1行は、そんなキラキラとした子供の頃の記憶から、現実へと引き戻されていくかのようです。