ちょうどいいはずお互いに
弱点は断固正視しないもんね
自分自身もろとも見失う
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
嫉妬心や警戒心など全ての感情を捨ててしまえば、互いに残っているものは限られます。
その残っているものの中に、互いの弱点もあるのでしょう。
しかしお互いに自分の弱点を直視しようとはしていません。
直視すれば自分の弱さを認めることにもなり、屈辱的なことだと思っているのではないでしょうか。
本来は弱点も自分らしさを形作るパーツの1つです。
弱点を直視しないことで、お互いに自分らしさも見失っているようにも読み取れます。
衝動に任せて
思い込みを捨てる
大嫌いの定義や大好きの方程式とは
バイアス決め込んで競って不毛です
よって言語を経由しない原初の衝動を
呼び覚ましたい 思い出したいです
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
定義や方程式は型にはめた考え方を示しています。
定義は一般的な考え方に当てはめて物事を考え、区別するものです。
方程式は法則に従って計算し、問題を解決するために用いられます。
こうした定義や方程式は相手も自分もそれぞれの価値観という形で独自のものを持っています。
互いに自分の価値観で考えていては、根本が違うためにいつまでも解決できないでしょう。
それならば、言葉で定義づけたり、方程式に当てはめることのできないもので解決するしかありません。
主人公は言葉で言い表すことのできない、直感的な衝動であれば解決できるのではないかと考えているようです。
その衝動は理性的に過ごすこととは真逆で、感情にまかせて行動することのように感じられます。
主人公はこれまで争いを静観し何にも動じていませんでした。
しかしここでは直感的な感情を露わにする方法を思い出そうとしているのです。
拭いきれない恐怖
愛を宿してどうしてなお
恐怖へ追従しているの
信じて疑うを昼夜往復し
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
争っている相手に対しては嫌悪などのマイナスな感情を抱くものです。
しかし、例え争いに加わらず静観していても恐怖心などを抱いてしまっているように読み取れます。
争いがあっても加わらず、ただ静観して平和を祈ることは達観した考え方です。
その考えの中には、争わなくて済むように相手を理解しようとする気持ちもあるのかもしれません。
しかし十分に分かりあえない相手では、ふとした瞬間に恐怖心や疑いを抱いてしまうでしょう。
自分では理解できないものに対して、人は自然とそうしたマイナスの感情を抱くものです。
主人公はこうした感情の間で日々揺れ動いていることが読み取れます。
感情の暴走
関係に支障を来すまで
突っ走っちゃうどっちへも
止まれない 制御不能です
早よう捕まえてくれ まだ知り合えていない
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
達観していた主人公の感情が不安定になることで、争っていた相手との関係が変化するかもしれません。
それは争いを解決する方向に進むかもしれませんし、そうではない可能性もあります。
衝動のままに行動するのであれば、主人公自身にも自分がどんな行動をするのか分からないのでしょう。
それを相手に止めてほしいと考えていることが読み取れます。
その思いからは、まだお互いに理解しあえていないことへの未練が感じられるでしょう。
やり直したい関係
礼儀を欠いた駆け引き
ねえ弄ぶにもエチケットを
狡猾な罠で釣ってはいけません
礼を欠いといて即駆け引きしないで(ジーザス)
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
争いにも種類があり、分かりやすくケンカをすることもあれば策略を巡らせて相手を陥れるものもあります。
相手は主人公に対して礼儀を欠いた方法で弄んでいるようです。
そこには自分の得しか考えていないような狡猾な罠が仕掛けられていたのでしょう。
主人公はその罠や相手の魂胆に気づいているようです。
そんな手段をとる相手に対して、主人公は呆れているようにも読み取れます。