"私は完全に目が覚めた

それに今ならはっきりとわかる

あなたが想像するものが全部

私がいつも思っていることじゃなかった

私は完全に目が覚めた

そう、私は夢を見ていたの

遠い遠い昔から"

見えてきた星空が遠のくように雪がしんしんと降ってきます。

ツアーで多くのファンからパワーをもらいつつも、心身ともに憔悴してきているのでしょう。

愛を愛だと感じられない

I wish I knew then
What I know now
Wouldn’t dive in
Wouldn’t bow down
Gravity hurts
You made it so sweet
‘Til I woke up on
On the concrete

出典: Wide Awake/作詞:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee 作曲:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee

"あの頃に知っていれば良かったのに

今さら気づいたの

こんなにのめり込むことはなかった

自分を抑え込まなくて良かったのに

若気の至りってやつね

あなたが私を喜ばせようとしたことも

私が目覚めるまでは

ただの塊だった"

MVでこの歌詞を歌うシーンでは真っ赤な果実が登場します。

これは結婚という甘い果実を表しているのではないでしょうか?

しかし両側から壁が迫ってくることからも、相当なプレッシャーを受けていたことが想像できるでしょう。

そのプレッシャーは元夫でもあり世間体ともいえるかもしれません。

そして記事のタイトルにも出てきた「コンクリート」というワードが登場します。

コンクリートは「無機質で冷たいもの」というイメージを持つ方も多いでしょう。

「concrete」にはコンクリート以外にも「凝固体」という意味もあります。

つまり「どんな優しさもただの塊にしか感じなかった」と解釈できるのではないでしょうか?

自分を見失っていく

Falling from cloud nine
Crashing from the high
I’m letting go tonight
Yeah, I’m falling
from cloud nine

出典: Wide Awake/作詞:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee 作曲:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee

”至福のひと時も終わっていく

ハイな気分に水をかけられても

今夜は行けるところまで行ってみせるわ

そう、もう終わり

至福のひと時も"

ここでは花火を手で握りつぶし、ケイティの胸から花火が大空に打ちあがる様子が表現されています。

この花火は「人からの注目」や「自信」という隠喩として使われているのではないでしょうか?

満ちあふれていた自信が粉々になり、天高く昇っていく様子は「ケイティの喪失感」を物語っています。

そして扉の向こうから一人の少女が現れました。

価値観の違い

I’m wide awake
Not losing any sleep
I picked up every piece
And landed on my feet
I’m wide awake
Need nothing
to complete myself, no

出典: Wide Awake/作詞:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee 作曲:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee

"私は完全に目が覚めた

別に不安なわけじゃないわ

あらゆるものをかき集めて

自分の力で手に入れてきた

私は完全に目が覚めた

一人で揃える必要なんてなかった

これっぽっちも"

一人で夢を追いかけて全てを手に入れたつもりが何も得られなかったと言っています。

結果は手に入れたが、残りの何かを失ってしまったといえるでしょう。

「いつも支えてくれる存在がいなくなったときにはもう遅く、結果なんて何の価値もない」

大切な人と一緒に走ってこなかったこの2年間はすごく虚しかったという気持ちでいっぱいなのでしょう。

本当は愛する人と一緒に成功を噛みしめたかったのではないでしょうか?

しかし価値観の違いから、ケイティは「成功するほど悲しくなった」のでしょう。

MVの2番ではケイティと少女が見えない境界線を挟んでお互いの手を合わせています。

登場した少女はいったい何者なのでしょうか?

自分との対話

I’m wide awake
Yeah, I am born again
Out of the lion’s den
I don’t have to pretend
And it’s too late
The story’s over now,
the end

出典: Wide Awake/作詞:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee 作曲:Katy Perry,Lukasz Gottwald,Max Martin,Henry Walter,Bonnie McKee

"私は完全に目が覚めた

そう、もう一度生まれ変わったの

ライオンの住処から抜け出すように

自分を偽る必要なんてないわ

ただ遅すぎたのよ

たった今物語は終わってしまった

終わったのよ"

ケイティと少女が会話をしているような歌詞になっています。

ただ一人称で語られていることからも推察できるように「現在と過去のケイティ」が対話しているのでしょう。

つまりここで登場する少女は「過去の自分」ということになります。

そして印象的なのがケイティと少女は2人で歩いているはずなのに、鏡に「少女が映っていない」ことでしょう。

これは「音楽を好きになったころの気持ちを見失ってしまった」ことを表しているのではないでしょうか?

孤独との闘い

1番と同じ歌詞が続きます。

ここではカメラのフラッシュを浴びせられ、通ってきた道が崩れてしまいました。

カメラは「ケイティに群がるパパラッチ」、崩れる道は「後戻りできない心境」を表しているのでしょう。

頭を抱えながら歌うケイティからもわかるように、「周囲はコンクリートのように冷たい」と叫んでいます。