リリースされた時期の出来事
大ヒットしたあの映画も同時期
日本でも大ヒットを記録したディズニー映画「アナと雪の女王」。
「Roar」リリースと同年の2013年に製作され、翌年に公開しました。
映画を見たことは無くても、松たか子さんやMay J.さんが歌っている「Let It Go」を聴いたことがある人は多いはず。
ありのままの自分で生きるというメッセージに、多くの人が共感しました。
この映画は、王子様の出現で女性が救われてハッピーエンドという、これまでの展開とは異なります。
そうしたストーリー展開と、自立してのびのびと生きる女性像に共感した人も多いのではないでしょうか。
女性著名人によるフェミニズム宣言
2014年にはエマ・ワトソンが国連のUN Women親善大使に任命。
国連本部でフェミニズムについて語ったスピーチが話題になりました。
テイラー・スウィフトもエマ・ワトソンを賞賛し、自身をフェミニストだと改めて主張しました。
これを機に、アメリカの女性著名人がフェミニズムへの関心をアピールしたり、フェミニストだと宣言したりする動きが。
女性であることに対して自信を持とうという風潮が高まり始めました。
アメリカの女性シンガーによるジェンダー観の表現
アメリカのシンガーは自身の思想や体験を、作品に反映させることもあります。
女性シンガーがその時代の「新しい女性像」を表現することもしばしば。
特にマドンナやビヨンセが特徴的です。
例えば、マドンナの「Material girl」。
1984年にリリースされた曲です。
男性から選ばれる女性像ではなく、男性を選ぶ女性を歌っています。
これまでの女性像とは異なる姿を歌ったことで、マドンナは人気を獲得しました。
一方、ビヨンセは「Sorry」で現代的な新しい女性像を歌っています。
浮気された女性が、クラブへ遊びに行く。
男のことなんて忘れた。
でも曲の後半では、私たちはきっと上手くやれると前を向く。
ものすごく怒るけれど、相手を許し、現実的に折り合いをつけて前に進もうとする女性を歌っています。
このように、女性シンガーは歌を通して、新しい女性像を提示しているのです。
ケイティのジェンダー観
最初はフェミニストではなかった?
「Roar」をリリースした後の2014年、オーストラリアの番組でケイティはフェミニストかと尋ねられます。
ケイティは、フェミニズムに関心はあるけれど、フェミニストであることは否定。
受け答えの様子から、そもそも「フェミニスト」の意味を知らなかったのではないかと報道されました。
「Roar」製作時期には、本人はフェミニズムをさほど意識していなかったかもしれません。
けれども、アメリカは女性の地位というものに対してムーブメントを起こし、議論してきた歴史があります。
その環境下にいるため、自身は少なからず「女性のエンパワーメント」を意識していたのではないでしょうか。
その後の報道も見たはずですし、ケイティがフェミニズムを意識するきっかけになったと推測されます。