2016年9月28日発表、アルバム「Fantôme」収録曲。

同時代を生きる女性SSW(シンガー・ソング・ライター)・椎名林檎をゲストに迎えて録音しました

宇多田ヒカル椎名林檎はともにカリスマ的威光を放つ鬼才です。

ふたりの共演はかなりの話題になりましたし、リスナーの期待を大きく越えて屹立する楽曲になります。

冒頭のガット・ギターの調べが美しくて、あっという間に惹き込まれていくのです。

正に待望されたコラボレーションと断言していいでしょう。

歌詞宇多田ヒカルの休業期間中の事柄に触れているという解釈が一般的です

宇多田ヒカルの「人間活動」と呼ばれる期間。

歌詞を見ていきましょう。

「人間活動」の日々

ほら車飛ばして 一度きりの人生ですもの
砂の上で頭の奥が痺れるようなキスして
今日は授業サボって 二人きりで公園歩こう
もしかしたら一生忘れられない笑顔僕に向けて

朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに参ります
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ

出典: 二時間だけのバカンス/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

「ポップ」「軽快」「お洒落」「洒脱」、様々な印象を持ちます

私たちリスナーは宇多田ヒカルの「人間活動」と呼ばれるものがどういったものであったか知りません。

ただ、この歌詞のようであったなら彼女も幸せに過ごせていたのではないかなと祈るばかりです。

宇多田ヒカルのメロディは本人以外には歌うのが困難であったりします。

それでも椎名林檎は彼女自身の独特なヴォイスでこの困難を超えてゆくのです。

名作アルバム「Fantôme」の中でも白眉といえるトラックになっています

第4位 「あなた」

宇多田ヒカル【2019年版】おすすめ人気曲ランキングTOP10!「初恋」「誓い」はランクインしてる?の画像

2017年12月8日発表、宇多田ヒカルの通算8作目の配信限定シングル

宇多田ヒカルののびのびとした歌唱とビートのコンビネーションが絶妙な楽曲です。

タイトルから連想する通り熱烈なラブ・ソングに仕上がっています

歌唱や発声ののびやかな印象がリスナーの心にダイレクトに届くのです。

そんな特徴を持つこの曲ですが、「あなた」が生きる世界は中々暮らしづらい生活を強いられる環境

過酷な現実の中で懸命に生きるあなたを応援するという仕組みの曲になります。

歌詞を見ていきましょう。

宇多田ヒカルの母性愛を感じる

あなたの生きる時代が
迷いと煩悩に満ちていても
晴れ渡る夜空の光が震えるほど
眩しいのはあなた

あなた以外思い残さない
大概の問題は取るに足らない
多くは望まない 神様お願い
代り映えしない明日をください

出典: あなた/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

歌詞の中で「あなた」がいる場所はこの世界と地続きのような厳しい環境です。

主人公は「あなた」のために優しい明日を希望します。

この想いが天に伝わるかどうかは不明です。

それでも主人公の志は変わりません。

宇多田ヒカルにある母性愛の発露のようなものを感じます

「あなた」への溺愛。

ひたすらその香りを嗅いで生きていきたいと願う女性。

本質的には強欲な愛の姿がありのままに提示されています。

宇多田ヒカルという人はおそらくその辺りの「かっこつけ」を排した人物なのではないでしょうか。

天、または神への率直な願い。

中々、エゴイスティックな愛ですが、むしろそうした点で開けっぴろげな態度がリスナーの支持を得ます。

宇多田ヒカルの愛に対する貪欲さが垣間見える稀有な曲

ランキングの第4位にこの歌を推します。

第3位 「Face My Fears(Japanese Version)」

宇多田ヒカル【2019年版】おすすめ人気曲ランキングTOP10!「初恋」「誓い」はランクインしてる?の画像

2019年1月18日、宇多田ヒカルのCDシングルとしては8年ぶり通算22枚目の作品。

この曲を語らずして2019年の宇多田ヒカルのランキングは組めませんでした。

なおこのCDシングルには「誓い」がリカット収録されています。

作詞:Skrillex Jason “Poo Bear” Boyd Hikaru Utada

作曲:Skrillex Jason “Poo Bear” Boyd Hikaru Utada

かように「Face My Fears(Japanese Version)」は才能あるアーティストとの共作になっています

ゲーム・ソフトのオープニング・テーマだけあって壮大な曲調。

冒頭はピアノと宇多田ヒカルのボーカルが絶妙に交錯します。

次いでスケールの大きいサウンド・プロダクションへと成長していくのです。

こうした「落ち着いた雰囲気で燃え上がってゆく」アプローチは宇多田ヒカルが得意とする作風。

それでも2019年の宇多田ヒカルだからこその新鮮さが感じられます

楽曲が通例の宇多田ヒカル作品よりも派手に激しく展開するのです。

宇多田ヒカルの新時代の幕開けでしょうか

歌詞を見ていきましょう。

繰り返しのパートが耳に残る

生まれつき
臆病な人なんていない
初めてのように歩きたい

Let me face, let me face
Let me face my fears
Let me face, let me face
Let me face my fears
私の地図に載っていない海は
遠くない

出典: Face My Fears(Japanese Version)/ 作詞:Skrillex Jason “Poo Bear” Boyd Hikaru Utada作曲:Skrillex Jason “Poo Bear” Boyd Hikaru Utada

この「Face My Fears」には英語ヴァージョンがあります。

日本語と英語のどちらのヴァージョンが先に生まれたのかは分かりません。

それでも英語ヴァージョンではより映える繰り返しのパートなどがリスナーの脳裏に焼き付くはず

複雑に展開してゆく曲の割には歌詞が伝えたいことはシンプルなようです。

自身の不安に向き合うだけのチカラを持った新しい自分への挑戦

人間は泣き叫びながら生まれます。

それでも泣き叫んでいることがそのまま臆病さに繋がるわけではありません。

生活をしてゆく中で周囲との摩擦を感じて人間はやがて臆病な生き物になります。

その臆病さを変えようと想い立つこと

それこそが運命への挑戦であり冒険的な生き方です。

宇多田ヒカルの「Face My Fears」は生きてゆく上で勇気とは何かを識ることができます。

第2位 「初恋」

宇多田ヒカル【2019年版】おすすめ人気曲ランキングTOP10!「初恋」「誓い」はランクインしてる?の画像

2018年5月18日発表、宇多田ヒカルの通算10枚目の配信限定シングル。

宇多田ヒカルの歌声から曲が始まります。

美しく伸びやかな歌声です。

誰もが通る道である「初恋」。

しかし宇多田ヒカルの「初恋」のように丹念に初めての恋愛感情の驚きを示す歌詞を書くのは難しいです

重厚なコーラスも印象的。

とにかく宇多田ヒカルの発声が美しいのでずっと聴いていたくなります

リスナーの胸に迫りくる郷愁。

この気持ちの正体は何なのでしょうか?

初恋を経験済みの多くのリスナーにとって、この曲は忘れかけていた日々へのタイムスリップです

ずっとこの歌詞の世界に浸っていたくなります。

歌詞を見ていきましょう。

追憶の書庫を開けるよう