never young beach【STORY】アルバム収録曲紹介！注目ソング「いつも雨」も徹底解説

スローテンポで懐古的なムードを醸し出しているのが4曲目『うつらない』です。

2018年にシングルとしてリリースされ、MVも制作されました。

たった一度の雪で都市機能が麻痺してしまう大都会。

そんなにも脆いのに、日々新しい建物が生まれて街並みが変わっていきます。

その一方で、好きだった昔からの景色が消えていくのです。

今は雪によってこうした動きは一時停止しているものの、雪が解ければ大切なものがまた消えていきます。

進歩は喜ぶべきものであり、日常生活を快適で豊かなものに変えてくれます。

しかし古き良きものが消えていくことはどこか苦しい。

だからといって、どうすれば満足できるのか説明することもできないのです。

葛藤を感じる歌詞ですね。

とめどないおしゃべりをしているようなギターの音色が特徴的な『春らんまん』。

単調に刻まれるリズムは、決して遅くも早くもならない時の流れをイメージさせますね。

この曲はアルバムリリースに先駆けて2019年3月26日に先行配信されました。

自分は大丈夫だから気にせず前に進みなよ、と背中を押す歌詞です。

しかし、実は自分の不安をかき消すための歌とも読み取れます。

春は別れと旅立ちの季節。

相手の背中を見送っている主人公はきっと旅立つことはないのでしょう。

自分で歩みださないからこそ、待っていることしかできないのです。

ともに過ごした場所で、思い出を噛み締め続けなければなりません。

旅立つ人も見送る人も、同じように切なさを感じるということですね。

女性コーラスのハーモニーとオクターブが非常に美しい6曲目『いつも雨』。

すでにライブで演奏されており、音源化が望まれていました。

曲のタイトルからはネガティブな印象を受けますが、現状を受け入れて前に進もうとするポジティブさが詰まった楽曲です。

「君」との約束も、将来への希望も雨水に流されてしまうようですね。

晴れていれば沢山の足跡がくっきりと見えたはずの道も、雨のせいで足跡が消えています。

ですから、どちらに向かうべきかを決めるのは自分自身です。

しかし、今立っている場所まで連れてきてくれたのは「君」の存在なのでしょう。

不可抗力の降雨で足を止め、誰かの助けを待っているようでは何も変わりません。

それに気づかせてくれた「君」へ、お礼を歌っています。