7. 歩いてみたら
4曲目『うつらない』と両A面シングルとしてリリースされたのが7曲目『歩いてみたら』です。
言葉ひとつずつをゆっくりと噛み締めたくなるスローテンポな楽曲。
『うつらない』の歌詞と似通ったテーマを持っています。
思い出だけが残ってしまう
街、風吹く
いつかの路地裏 あの子は走り回る
僕も走れたら
出典: 歩いてみたら/作詞:安部勇磨 作曲:安部勇磨
薄汚れていて騒がしい街で、狭い道を走り回っていた記憶がある主人公。
しかし都市部は徐々に開発が進み、思い出深い景色が消えたり地下に埋設されたりしています。
主人公は実際に新しい街並みを目にしたわけではないのでしょう。
ただ、その途中経過はしっかり覚えているのです。
生まれ育った街並みの変貌を見たとき、そこにない昔の景色をふと重ねてしまうことはありませんか?
そしてその景色と紐づけされた人物の顔が過ったり。
思い出の中の景色や人々は歳を取らないまま、時間が止まっています。
だからこそ自分は、そこには踏み込めないのです。
本当はあの頃の景色に溶け込みたいけれど、時の流れがそれを許してはくれません。
8. 思うまま
このアルバムに収録されている楽曲の再生時間はおよそ2分半〜4分弱の間に位置しています。
しかし8曲目『思うまま』は1分40秒という短さ!
タイトルの通り、自分が感じるままに行動することを肯定してくれる楽曲です。
9. 魂のむかうさき
小難しいことを日々考え続けて疲れている方におすすめなのが9曲目『魂のむかうさき』です。
アルバムの中で歌入り曲のラストを飾ります。
日常生活で人は色々なことを深く考える癖がついています。
夕飯は何にしようか、栄養を考えると肉と野菜、彩りも考えなければ。
普通に歩いてしまうと電車に間に合わないけれど、早歩きで間に合うだろうか。汗ふきタオルを忘れてしまったから汗はかきたくない。
こんなふうに、ひとつの考えから次の考え、その次の考えへとエンドレスに頭を使っているのです。
しかしふと「そんなに考える必要があったのかな」と疑問に思うことはありませんか?
一日ぐらいは栄養を考えずに食べたいものを食べたっていいのです。
電車に間に合わなければ次の電車に乗ればいい。汗が拭きたければポケットティッシュでも買えばいい。
肩の力を抜いたらどう?と言ってくれるような楽曲です。
10. Opening
ラストなのに『Opening』というタイトル!
インストゥルメンタルであり、メンバー紹介曲でもあります。
アルバムが壮大な銅鑼の音で幕を開け、ユルく真理をついた曲が8曲。
そして最後にメンバー紹介となれば……、また最初から聴き直したくなりますね!
never young beachのヒント集『STORY』
アルバムに収録されている10曲全てがそれぞれ物語性を持っています。
でもこれらの物語はnever young beachが、安部勇磨が考える物語です。
ここに並んだ10曲は「こんな生き方や考え方があるよ」というヒントのようなもの。
考えすぎて頭が痛くなったら、別れで切なくなったら、道が見えなくなったらぜひアルバムを再生してください。
深く考えなくても耳の中にスーッと入り込んでくるメッセージが、きっと見つかります。
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