映像とともに流れている楽曲はOP曲ですが、作中に登場するキャラクターの声優をしている南里侑香によるものです。

女優として舞台デビューし、アニメの吹き替えで声優としても才能を開花させた後、あの梶浦由記の心を掴んで歌手デビューも果たしたという、マルチな才能の持ち主です。

こちらも聴き応えがあり、OP曲としても良いですね。

歌詞を切り取っていく

「ちょっとおいでよ」

アニメ『魔法戦争』のED曲として起用された、ナノの「Born to be」ですが、聴いてみればまったくED曲っぽいとは感じないと思います。

疾走感があり、ラップ調の部分も出しつつ、これまで使用していたデジタルを含んでいないなど、新しく違った試みもしているようです。

そして、出だしのベースラインがとにかくカッコいい!

ここでオフィシャルのPVを見てください。

『Born to be』ナノ Music Clip

ナノ自身、この楽曲アニメのED曲となるとわかっていてもなお、ED曲っぽくしようとは思わなかったのだとか。

OP曲は激しく、ED曲は静かに……という固定観念を吹き飛ばしてくれる楽曲です。

また、歌詞についても言及しています。

ナノ曰く「ちょっとおいでよ」と声をかけるような曲で、「自分とじっくり向き合う」暇がないことを歌っているが、歌詞の詳しい解釈は視聴者に委ねているという。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Born_to_be

「ちょっとおいでよ」というわりには激しいようですが(笑)、まぁ勝手に解釈してもいいと言うのなら、「ほら、来いよ!」という感じでしょうか。

音楽雑誌『リスアニ!』の日詰明嘉は、「青少年の悩みを吐き出すようにメロディに乗せる繊細な歌声とともにファンの期待に応える1曲」と評した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Born_to_be

この言葉からも窺えるように、やはり「Born to be」という楽曲は、迷い躓き思い悩みながらも駆け抜けていく、青春時代の少年少女をうまく表現しています。

歌詞に注目

それでは、歌詞について見ていきましょう。

英語部分が多いので、イメージとフィーリングで解釈です。

多少の誤訳はご容赦を!!

They bring me down
All the world is stereotypical
Playing out rules, but act out another
Look now, you thought you had me by the upper-hand
But I see through the face you've covered cynical

出典: Born to be/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND

  • 彼らは僕を下に下ろす
  • 世界中がステレオタイプで
  • ルールを再生しているけれど、別のことを演じている
  • 今見てみろ、あなたは優位に僕を持っていると思っていた
  • けれど僕はあなたの皮肉を纏った顔を見ている

 

……という感じでしょうか。

「ステレオタイプ」とはよく聞きますが、つまり行動や考え方が固定的で、新鮮味のないことを言います。

いわゆる「紋切り型」とよく言われるものですね。

そんなつまらない世界に下ろされて、そこでは誰もが一見ルール通りに動いているようだけれど、本当はみんな本性とは別のことを演じているのです。

そんなふうに、自分が優位に立っていると思っている皮肉なその顔を、僕はちゃんと見ているぞ、と。

【Born to be/ナノ】〇〇と声をかけるような曲?!歌詞の意味を解釈!アニメ『魔法戦争』ED曲の画像

『魔法戦争』には、「現存世界」と呼ばれる、いわば「こちら側の世界」と、17年前に起きた第一次魔法大戦によって2つに引き裂かれたうちのもう1つの世界である「崩壊世界」があります。

文字通り「崩壊世界」では人類は絶滅していますが、それは魔法で無理やり作られていたために、実際に崩壊しているとも言えます。

主人公たちが巻き込まれていくのは、この後の第二次魔法大戦になります。

Four, Unleash the beast that lies inside of you
Three, take on the fire that burns in front of you
Two, let out the fear you feel surrounding you
One, become the soul that you were born to be

出典: Born to be/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND

  • 4、あなたの中にある嘘の獣を解き放つ
  • 3、あなたの目の前で燃える炎に乗る
  • 2、あなたを取り囲んでいるように感じている恐怖を抜け出す
  • 1、あなたがなるために生まれた魂になる

 

……そんなふうにカウントダウンしながら、生まれ変わりを促しているようでもあります。

この英詞部分はラップ調になっているため、英語が得意でない人は非常に聞き取りにくくもあり、すぐには頭に入ってこないかも知れません。

しかし、結構物語に切り込んだ肝心なことが言われていたりするので、無視できませんよ。

たとえ今まで生きたストラタジーを見失っても(It's time now)
ハンドルを切って暴れる夢のまま突き進め
スリルの無い人生に挑むなら
意味も無い感情を抱くなら
覚悟を決めていくんだろう
自分自身を BREAK AWAY

出典: Born to be/作詞:ナノ 作曲:WEST GROUND

「ストラタジー」とは、「戦略」や「戦法」のことです。

これまでのやり方を見失ったとしても、とにかくハンドルを切って前進しろと言います。

自分の心の中にある「暴れる夢」を押し殺さずに、そのまま突き進めばいい。

だってスリルのない人生に挑んでも、意味のない感情を抱くだけで、何も変わらないから。

それなら行こう、覚悟を決めて、これまでの自分から離脱するんだ、と促すのです。

突然魔法使いになってしまった主人公が、とある事情から暗く無気力に生きてきたという背景を知れば、この部分の歌詞にも意味が見えてきます。