晴れやかな曲だと言っても、2番からは切なさを感じさせる場面が登場します。
別れが全く悲しくないことなどありませんよね。
相手の存在が大きければ悲しみも大きくなるものです。
こういった陰りを見せる部分から、かけがえのない相手を想っての楽曲だということが伝わってきます。
そして終盤に用意されたドラマチックな曲展開にも要注目。
ここには、そういった気持ちを経た上での目一杯のメッセージが込められているのではないでしょうか。
学校を舞台に描かれるMV
教室に通学路。卒業に際して学生生活を名残惜しむような井上の姿が描写されます。
サビでは音楽室での弾き語りのシーンが登場。
差し込む光と桜の花びらが門出を祝福するような仕上がりとなっています。
卒業と向き合った歌詞を解釈
ここからは歌詞を解釈していきましょう。
卒業を目の当たりにし、リアルな感情で描かれたその内容。
その先の道にアーティストという生き方を選んだ彼女は一体何を思うのでしょうか。
卒業ソングとは言っても、新しく何かに踏み出そうとする人にも共感出来る内容となっていますよ!
涙を見せないのは決意の表れ
通い慣れてた並木道を歩いた
この景色にも今日でさよなら告げるんだ
「なんだかさみしいね」と君は言うけど ここから始まるから
涙をこらえながら強がり「またね」と言ったんだ
出典: 君に出会えてよかった/作詞:井上苑子 作曲:秋浦智裕
場面は卒業式の後、友人と家路につく様子を描いたもの。
卒業式ぐらい、寂しくて涙を流してもいいような気もします。
けれど涙を堪えた彼女。
それは「また会うときにはもっと大きくなっている」という決意の表れではないでしょうか。
「応援してくれる友達を不安にさせたくない」という想いが伝わってきます。
君との日々がくれた強さ
きっと 今日までの道は1人じゃ歩けない
支えてくれた君がそばにいたから
一緒に笑って 涙流したかけがえない日々
きっと 明日の道は遠くて見えないけど
立ち止まらずに今を歩いていこう
「君に出会えてよかった」
出典: 君に出会えてよかった/作詞:井上苑子 作曲:秋浦智裕
一緒に過ごした友達に対する感謝の気持ちが溢れ出したようなサビ部分。
涙を堪えて「またね」と言えた自分の強さも、その友達との日々がくれたもの。
その日々を思い出せば、先が見えなくても強く歩みを進めていける。
数々の思い出が自分を支えてくれていることが表現されています。
「出会えてよかった」はその人の存在自体に対するもの。
何にも勝る感謝の言葉ではないでしょうか。
アーティストとして生きていくことの孤独感
桜が咲く季節になった時は 1人になるんだ
いつもなら 君と笑いあって歩いたけど
これから別々の道を歩くの
そう わかってるんだよ
あの時 強がったけど
1番あたしが寂しいよ
きっと
出典: 君に出会えてよかった/作詞:井上苑子 作曲:秋浦智裕
場面は少し遡って卒業式よりも前になります。
卒業式が終われば、慣れ親しんだ友達と別れてまた新しい環境での生活が始まる。
そのことに密かに不安を抱いていた様子がここでは描かれます。
「自分が1番寂しい」という言葉には、アーティストとして生きていくことの孤独感の表れを感じますね。
人と違う生き方というのはある意味で孤立を意味します。
それだけ覚悟が必要になるということですね。
難しく考えると嫌になって
全て投げ出して逃げたくなるけど
強くなる そう決めたから進むよ
負けたくない
出典: 君に出会えてよかった/作詞:井上苑子 作曲:秋浦智裕