言葉にすれば壊れそうです
どうすれば君に伝えられたのでしょうか
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
今、「僕」が一人でいる理由。彼女が隣に居ない理由がここで分かりました。
「僕」は彼女に自分の気持ちを伝えられなかったのです。
大好きな彼女に「好き」と伝えたかったのに、伝えると彼女を失いそうで怖かったのかな?
何故怖かったのか?彼女は、「僕」を友達だと思っていたのでしょう。
だから、「好き」と言ってしまうと、友達という関係性が壊れてしまいます。
友達としても会えなくなってしまうかも知れません。それが怖かったんですね。
彼女には、既に恋人が居たのかも知れません。
恋人ではなくても、他に想いを寄せる人が居たのかも知れません。
「僕」はそういう人の存在を知って、自分の気持ちを伝えることを恐れたのでしょう。
でも、それが「僕」の勘違いだったとしたら。
もし彼女も同じ気持ちでいたとしたら、ハッピーエンドの可能性もあったはずです。
もう少し「僕」が勇気を出して伝えていたら、もしかしたら彼女は今「僕」の隣にいたかも知れないのに…。
「僕」と「君」の距離を感じさせるフレーズ
遠くに離れてしまった彼女
やけに低く見える空の向こうで君は
僕のこんな気持ちなど知るはずもないんだろう
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
分厚い雲が垂れ込めると空が低く見えます。暗く重苦しい「僕」の気持ちを投影したような描写です。
そんな分厚い雲の向こうに居るのは、あの頃のまま明るく光輝く彼女。
「僕」は未だに彼女を忘れられず、その彼女は「僕」がひとりぼっちでいることも知らない。
なんだかとても切なくなります。
この詞は岩沢さんが書いています。
彼の恋の話かどうか分かりませんが、一途でセンシティブな詞は私たちの心の琴線に触れます。
「僕」の想いが切ない・・・
彼女に会いたい・・
また君と出会う事があるのなら
偶然を装ってすれ違えるだろう
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
彼女に会いたいけど、積極的なアプローチはできないようです。
偶然に会ったようなフリをして話しかけようとしているのでしょうか。
今なら連絡を取る手段はいくらでもありますよね。
LINE、SNS、メール、携帯電話。
でも、この曲が作られたのは、今から20年以上も前です。
その頃の連絡手段と言えば、電話か手紙くらいしかありませんでした。
携帯もまだ普及していませんでしたから、メールだって使えません。
あなたのお父さんがお母さんと出会ったころかも知れませんね。
今の感覚だと「僕」の行動はじれったくて、もどかしさを感じてしまいます。
でも、こんな時代背景を考え合わせると一概に消極的な「僕」を責めることもできませんね。
一歩前進
伝えたい言葉
君と出会えてよかった
今ならまっすぐに伝えられそうだから
大事な言葉は今は闇の中
手探りの答えだけ一つ握りしめて
出典: 春風/作詞:岩沢 厚治 作曲:岩沢 厚治
「僕」は勇気を出して彼女に会いに行ったようです。
ずっと言えずに心の中に秘めていた彼女への想いを伝えるために。
「ガンバレ!」とエールを送りたい気持ちです。
でも、「僕」は溢れんばかりの気持ちはあるのにどう伝えればいいか分からないのです。
ただ「好き」と伝えればいいのに…と単純な私は思ってしまいますが、「僕」にはそれができません。
何故なんでしょう?最悪の答えを恐れているだけでしょうか?
もっと違う理由があるように思えてきました。