BTS (防弾少年団)【Boy with Luv】MVを徹底解説！パステルカラーの世界観が素敵☆

今、ARMYの間でもっとも有力とされるのが映画「雨に唄えば」へのオマージュ説です。

その根拠といえるシーンがMVの1分50秒頃に登場します。

先に述べた黄色いソファが空から落ちてくる場面です。

BTS(防弾少年団)の面々は驚くどころか「待ってました！」とばかりに走り寄ります。

そして躊躇することなくソファの上に鮮やかに飛び乗るのです。

実は「雨に唄えば」ではまったく同じような構成のシーンが存在します。

ミュージカルらしくジーン・ケリーらメインキャスト3人がソファに鮮やかに舞い降りるシーンです。

ソファに続くシーンはSUGAのラップパートです。

ここでSUGAは暗闇の中で巨大な光り輝くキーボード上で舞い踊っています。

これは「雨に唄えば」での有名すぎるシーンへの明らかなオマージュです。

ドナルド・オコナー演じるコズモがピアノの上でコミカルな演技を行う名シーン。

映画を観たことがある方はハッキリと覚えているかと思います。

そして『Boy with Luv』のハイライトともいえるシーン。

3分10秒頃からのRMのラップパートです。

ここでRMは純白のスーツ＆パナマハットという姿で登場します。

その手にはステッキ、ではなく雨傘を携えているのに注目してみましょう。

やはり「雨に唄えば」のハイライト、ジーン・ケリーがスクリーンに映し出されるシーンに酷似しているのです。

映画ではステージに巨大なラスベガスのセットが映し出され聴衆が彼のもとに駆け寄ります。

『Boy with Luv』ではセットはもちろんカメラアングルまで映画とシンクロするような撮影が行われているのです。

他にもJ-HOPEが街灯をポール代わりに立ち回る場面、映画館前でのダンスの振り付けなど...。

挙げ連ねれば枚挙に暇がありません。

しかしなぜオマージュが捧げられるのが『雨に唄えば』だったのでしょう？

ここまでは『Boy with Luv』のMVについて解説してきました。

しかし謎は深まるばかりです。

ミュージカル形式になっているのは「雨に唄えば」の物語に沿っているので分かります。

しかしなぜ『Boy with Luv』のMVを「雨に唄えば」のオマージュにしようとしたのでしょう？

さらにMVを彩るミステリアスなパステルカラーの世界観です。

それらを紐解くには『Boy with Luv』で歌われている内容を知ることが必要かもしれません。

以下は冒頭部分の歌詞の和訳です。

“全てを知りたいんだ、1日をどんな風に過ごしているのか

教えてよ、ねぇ

何が君を幸せにしているの

メールしてよ、ねぇ

君の写真は全部

僕の頭の側に置いておきたいよ

僕の先生になって

君の全てを教えて欲しい

君のその１、その２を”

「小さなものたちのための詩」という原題。

それを裏付けるように幼い主人公が年上の女性に恋する気持ちを描いているのが分かります。

その傾向は「先生」になってほしいという歌詞に顕著です。

続くパートの和訳も見てみましょう。

“僕の話を聞いてよ、ベイビー

空高く飛んでるんだ

君があの頃くれた翼で

ずいぶん高くまで来たんだ

僕は君と目を合わせたい

あぁ君は僕を恋するガキみたいにしちゃうんだ”

主人公は恋する女性へ気持ちを打ち明けるどころか目を合わせることもできません。

また大人と子どもでは実際の目線も、そして見える世界も異なるのです。

「雨に唄えば」はジーン・ケリー演じる主人公、そして密かに想いを寄せる女性との恋物語。

さらにはどん底からの再起を賭け、新しい世界へ挑戦する姿勢を描いた作品です。

『Boy with Luv』のMVには常にネオンで作られた「Persona（人格）」という文字が登場します。

少年の恋を描くことにより「人格の形成」される様子を表現している作品。

それが『Boy with Luv』という楽曲なのです。