防弾少年団と花様年華
防弾少年団について
韓国のヒップホップアイドルグループ防弾少年団の楽曲の一つ「I NEED U」のMVが話題を集めています。
まずはまだよく知らない方の為に、防弾少年団について簡単にご紹介します。
防弾少年団というユニット名はメンバーが揃う前から決定していたそうです。個性的な名前ですね〜。
その由来は「社会的偏見や抑圧といった若者に向けられがちな弾丸を防ぎ、自分たちの音楽と価値を弾き出し若者達を守るという」意味が込められています。
自分たちが弾丸を受け止めようという思い。ダンディズムというか、かっこいいです。
メンバーは複数のオーディションで集められ、30名近い練習生を抱えたこともあるそうです。大きなプロジェクトだったんですね。
そこからメンバーを選抜、コンセプトも純粋にヒップホップを追求するグループからヒップホップアイドルへと変容していきます。
今の形に落ち着くまで紆余曲折があったようです。
花様年華でブレイク
その後様々な活動を経て、2014年に日本デビューします。初のフルアルバム「DARK&WILD」も発売し、単独コンサートにワールドツアーを行うなど一部韓流ファンの間で人気を獲得していきます。
青春三部作と銘打たれた「華様年華」シリーズの第一弾に収められる、「I NEED U」で人気を不動のものとしました。「花様年華」シリーズは、合計の売り上げが100万枚を突破しています。こうなるともう市民権を獲得したといって差し支えないでしょう。
「I NEED U」はブレイクのきっかけになった重要な楽曲です。おまけにMVが話題となると嫌でも期待が高まってしまいますね。
過激なMVで話題に
「I NEED U」は大ヒットしました。しかし、話題となったのはなんとその過激な内容です。何があったのでしょうか?
韓国で〇〇指定?!
何と!この「I NEED U」は本国韓国にて、19禁指定を受けてしまったのです!
つまり韓国の動画サイトなどでは成人認証を受けなければ動画が閲覧できないそう…ちょっと可哀想です。
対策として、問題となるシーンを削除して15禁に抑えたショートバージョンも存在するといいますが何か物足りない感じがします。
だって刺激を抑えてるのですから。
19禁になった、そのMVとは
メンバー全員が同時に写るシーンと、メンバーそれぞれが別々に写るシーンが繰り返し流れる様な構成になっています。
全員で写る方は普通に楽しそう。いやもう彼らの自然体がみられて幸せって感じです。
問題はメンバーそれぞれが演じているシーンです。
一人一人見ていきましょう。
個人的に衝撃だったテヒョンの役では、隣の部屋で男女が言い争いをしています。
その男性が、女性に暴力を振るうのを見たテヒョンは咄嗟にビンを手に取り男性に殴りかかります。
男性が殴り返し争います。そして最後にはテヒョンは割れた瓶で、相手を刺して殺してしまうのです。
この言い争う、男女については父親と母親、父親と姉など様々な憶測を呼んでいます。
続いてジミンは、バスタブにて虚に物思いに耽っています。悲しそうに手紙を見つめ、やがて火をつけ燃やします。
一度外に出て震えてみたり、沈んでしまったり。最後に泣き叫んでいるかのようなシーンが印象的でした。
何時も飴を加えて登場するラップモンスター。彼はタバコをよく吸う設定のようですが後半になると、ガソリンスタンドで怪しげな車から何かを受け取ります。
ドラッグに手を出してしまった少年ということでしょうか。タバコ(?)を吸っていると見られるシーンもあり、薬物使用で死んでしまったという噂もあります。
SUGAはダブルベッドに寝て、隣には誰もいません。その誰もいない隣を見つめ何かを想う様です。
やがて、虚な目で液体を部屋に撒き始めます…ここからは何となく予想通りと言いますか、部屋が炎に包まれます。
フラフラと彷徨うジョンググはどこか寂しそう。やがて、つまらないことで男達と喧嘩になります。
複数の相手に、拳法の使い手でもない限りかなう筈もないのは明らかです。
それだけ自棄になっているということでしょう。ボコボコにやられた上に、フラフラ歩いているところを車に轢かれて死んでしまいます。
J-HOPEのシーンは、カプセル錠剤が度々登場します。何かの病気でしょうか、睡眠薬という説が有力な様です。
そして、その薬を火にくべて燃やします。後半は橋の上を歩き、そして倒れます。
ジンは、1人で部屋に座り込んだまま百合の花を見つめたりして考え込んでます。カーテンを開けて、日差しの中で何かを悟ったのでしょうか。
このようなバタバタとメンバーが倒れていくストーリーが並行して進んでいきます。
つまり、冒頭は何かの始まりを予感させ、中間で不安になり、ラストの衝撃はそれぞれ畳み掛けるように襲ってきます。
まさに衝撃的!そして「花様年華」のコンセプトに相応しく、若さとその衝動性、暴力性に富んでいます。
意味が深いことでも話題に
歌詞の内容を考えてみます
青春の危なっかしさを表現したアルバム「花様年華」のコンセプトを体現するかのような「I NEED U」のMVは本当に強烈でしたね。
ネット上では、「全員死んでしまった」、「ジンだけ生きている」などの推測が飛び交っています。
そりゃこの映像見たら色々想像せずにはいられないでしょう。
歌詞の内容を一言で現すなら、「もうダメな恋愛だけど好きすぎて、苦しいけどなぜかその想いから離れられない」という感じになります。誰でも一度は経験する本当に激しい想いを表現しているのかもしれません。
歌詞は、一方的に相手に語りかけられる形で書かれています。
「ねえ、君は独りいつも身勝手で」「ごめんね」「許して」「空の彼方へ」など、もしかしたら彼女はもうこの世にはいないのかもと思えてなりません。
さらに推測ですが、「自分が原因で彼女を失いあとを追い自殺してしまう。」というストーリーが背景にあったためにMVでもメンバーが次々倒れていくイメージが出来上がったのではないでしょうか。