主人公にとって恐怖の対象と重なったシュプレヒコール。
しかし、目の前を通り過ぎてゆくだけで時分には何の危害も脅威もない。
確かに大群衆となって押し寄せてくるパワーは感じます。
しかし、何か物足りない。威圧するだけで説得力がない。
これが本当に若者のエネルギーを浪費するべきことなのか?
主人公ははたと疑問に思いました。
「こんな怖さ、ただの飾り物じゃないの?それよりも私の父の方がよっぽど怖かった…」。
主人公は気づいたのです。今まで恐れていたものの実態を。
そして自分が突き進もうとしていたことへの確かな手ごたえを。
夢の実現は群れてはできない
主人公の女性には類まれな才能が眠っていました。
それは少女から大人へと成長していくにつれて確信できました。
しかし、厳粛な父親はそのような夢を簡単に認めてくれなかったのかもわかりません。
歌手になる夢など、父親の考えの範疇にはなかったのでしょう。
だから、主人公は思い切って故郷の町を捨てて東京へ行きました。
可能性を求めて。
ただ東京に行ったからといって夢がかなうかはわかりません。
しかし主人公の協力者となった母親のおかげで何とか東京の大学性にはなれました。
その夢の実現の場所でみた学生運動。
数による異形の群衆は主人公にきっかけを与えたのかもわかりません。
あの中に入ってしまったら世の中に取り込まれてしまう、と。
20世紀を代表する稀有の歌姫、中島みゆきの原点だったのかもしれません。
東京に出発するまでの家族との葛藤
「世情」という楽曲の主人公を中島みゆきさん自身に置き換えて解釈させていきました。
自身の夢を叶えるために抗った父親という世の中。
しかし、頭の固い父親からはやはり頑固者の娘が生まれたようです。
結局、自身の我を通してやりたいことをやり抜いたのですから。
ただ、もしこの時、歌に対する情熱が中途半端だったら人生も変わっていたでしょう。
そのまま、田舎の町で普通の女性として人生を送ったかもわかりません。
歌がもつ無限のパワーに気づき、自身をとことんまで追い込んだ主人公の決断を称賛すべきでしょう。
東京に行くために使ったであろう、家族との話し合いの時間は全く無駄ではなかったといえます。
様々な葛藤と悩みは、その後の大きな勲章の礎になったのかもわかりません。
金八先生の名シーンで有名に!
『世情』が注目されたのは、1981年に放送された『3年B組金八先生』の第2シリーズ、「卒業前の暴力(2)」がきっかけでした。
“腐ったミカン”と呼ばれた加藤優が、古巣の中学校の校内暴力に巻き込まれ、結果的に放送室を占拠。
校長から謝罪の言葉を引き出したものの、通報によって駆けつけた警察に学校の中で逮捕されてしまいます。
逃げまどう加藤たち。警察には渡すまいと必死に追いかける金八。でも集まった生徒たちが邪魔になって先へ進めません。
音声はなく映像はスローモーション。そこに『世情』の泣くような叫ぶような歌声だけが流れます。
一度だけの挿入歌だったにもかかわらず、残した印象は強烈で、金八先生の最大の名シーンとともに語り継がれることになったのです。
改めて聴き入ってみよう
『世情』はシングルカットもされていませんが、中島みゆきの隠れた代表作とも言える1曲です。
時代背景が違うとはいえ、彼女の歌い方や歌詞は今の私たちの心のどこかにも刺さるはず。
たくさんの歌手がカバーして『糸』が広く知られるようになったように…。
『世情』も一度聴けば虜になってしまう名曲です。聴く人の年齢を選ばないでしょう。
ぜひ一度、じっくり聴いてみてください。
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