Aメロでは「海」を社会に見立てています。
海の広さに負けないように
輝しい太陽をにらんでみた
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
偉大であり、厳しくもある「海」。
私たちが生きている「社会」も遠からず似通った世界。
このフレーズでは、この2つの世界を重ねた視点で歌っています。
とてもスケールの大きい考え方ですね。
長渕さんらしいとも言えます。
そして「輝しい〜」のフレーズ。
生きていく過程で太陽というものは、必ず私たちの頭上に位置しています。
いつ何時でも私たちを煌煌と照らすそれを、負けじと睨みつける。
反抗的でありながら、「自分」を見失わないようにしている様子が伺えます。
大切なその場所へ会いに行く
ずぶぬれの僕は魚になり
あの島まで泳いでいった
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
前述した通り「社会」という「海」で生きる「僕」。
「ずぶぬれ」とは海で生きているから、というわけではないように思えます
社会の荒波や激流に打たれ、ずぶぬれになってしまったのでしょう。
そんな中、「僕は〜」とあるように「魚」になります。
社会の流れをかき分けて大切な場所である「島」まで泳いでいくためです。
このように自らを魚に見立てて、世間を泳いでいくといった表現は流動感がありますね。
遠からず、秦基博さんの代表曲「鱗」に通ずるものがあります。
さて、そんな「魚」になった「僕」は、どのような目的で大切な場所へ向かったのでしょう。
思い出のその場所へ
過去ではない「今」の2人で
初めて出会った場所に
も一度戻ってみよう
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
魚となった僕が向かった島。
「初めて〜」とあるように大切な人との思い出の場所でした。
前述した最初のサビとは違い、「過去」に戻るのではなく「今」提案しているのです。
今生きている中での提案ということは、今まさに2人はすれ違っているのでしょうか。
そんなギクシャクした関係をリセットするために、2行目のフレーズにあるように提案しているのです。
離れるのではなく、一緒に行こうというニュアンスに温かみを感じますね。
また違う形での愛の提案
そして青い空に抱かれ
しあわせになろうよ
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
こちらも最初のサビとは違う形で愛の提案をしています。
思い出の島を囲むのは、海と空だけ。
原点に戻り、愛を再確認した2人はまっさらな状態です。
それを1行目のフレーズにあるような、軽やかなフレーズで表現しています。
さらに2行目のフレーズ。
また男らしいさりげない雰囲気でさらりと愛を告げています。
社会という海の流れのなかでぎくしゃくしてしまった2人。
その2人が原点に立ち返り愛を再確認する。
短いながらも、この歌の根幹をなす重要なフレーズと言えるでしょう。
文学的で秀逸なフレーズ
君は大空を
ここから2番の歌詞です。
愛を再確認しあった2人はどのようにして過ごすのでしょうか。
緑の大地で鳥が鳴いた
君は両手を広げ空を飛んだ
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛