ここから場面は変わり、場所は「海」から「大地」。
1行目のフレーズは壮大な自然をそのまま描いています。
聞いている側をどこか遠くへ連れて行くようです。
このように突然スケールの大きいフレーズを入れて、主観から客観へとシフトチェンジしています。
この手法もまた長渕さんらしいですね。
そして2行目のフレーズ。
1行目に「鳥」とありますが、「君」を鳥に見立てているわけではないでしょう。
前述した通りまっさらになった「君」。
それを「両手を〜」とあるように軽やかに表現しているのでしょう。
叙事詩的で幻想的で...
星空をみあげ夢をかなえた
月の光で歌をうたった
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
このフレーズは表面をなぞるだけで、愛し合う2人が楽しく過ごしていることが伺えますね。
お芝居の台詞としても使えそうなほど叙事詩的です。
2行目のフレーズは簡単には想像できないほどに美しい描写ですね。
筆者はヴェートーヴェンの「月光」のような幻想的な旋律を想像しました。
どうすればこのような美しい歌詞を思い付けるのでしょうか。
長渕さんのセンスは計り知れないものがありますね。
そして歌は大サビへ繋がります。
繰り返し愛の提案をする
大切なメッセージ
出会った頃の二人に
も一度戻ってみよう
そして二人で手をつなぎ
しあわせになろうよ
初めて出会った場所に
も一度戻ってみよう
そして青い空に抱かれ
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
大サビでは、最初のサビと1番のサビを繰り返します。
それだけ大事にしたいフレーズなのでしょう。
1行目のフレーズと5行目のフレーズに注目してください。
大切な「頃」と「場所」。
それぞれに戻ろうと繰り返しながら提案しているのです。
前述してきた通り、この歌は原点に立ち返ることの大切さを伝えようとしています。
そのメッセージをここでまた繰り返す。
それだけ重要なことなのです。
ここまで愚直に同じ歌詞を繰り返しているのにも関わらず、全く違和感を感じません。
シンプルな構成に聞こえながらも、緻密に計算されて作曲されているのでしょう。
ここにもまた長渕さんのこだわりと熱いエッセンスを感じます。
最後にまた繰り返す愛の提案
しあわせになろうよ
しあわせになろうよ
出典: しあわせになろうよ/作詞:長渕剛 作曲:長渕剛
そしてサビの最後に共通して歌われ、さらに歌の題名にもなっているこのフレーズ。
曲の締めくくりとして、しっとりと繰り返されます。
このフレーズに限らず、曲中に敢えてひらがなで書かれている言葉が散見されますね。
おそらくそれはこの曲において大切な言葉なのでしょう。
男らしく混じり気のない、ストレートでありながらも秀逸なメッセージソングであるこの曲。
聴くだけでは伝わらないところまでこだわり抜いてありますね。
そんな長渕さんの渾身のバラード「しあわせになろうよ」。
恋人と倦怠期の方や家族とぎくしゃくしてしまっている方は、一度じっくり聴いてみてはいかがでしょう。
この曲のストレートなメッセージ。
それを素直に受け取ることで、忘れていた大切な気持ちを思い出すことができるかもしれません。
そうすればまた、大切な人と「しあわせ」になることができるでしょう。
最後に
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