圧倒的存在感のGLAY
2002年にリリースされたGLAYのシングル曲「逢いたい気持ち」。
当時のGLAYと言えば、ヴィジュアル系ロックバンドブームの先導役として90年代後半に一時代を築き、その後も精力的にシングルリリースやライブ活動を続けていた頃です。
リリースシングルの連続したミリオンヒット、ベストアルバム「REVIEW」の売り上げギネス認定、そして20万人ライブ「GLAY EXPO」など、話題に事欠かないバンドとなっていました。
20万人ライブ「GLAY EXPO」とは?
「GLAY EXPO」とは、1999年に千葉県幕張の特設野外ステージで開催されたGLAYのライブのこと。
「幕張メッセ」の駐車場を使って設営されたステージでのライブのため、客席最後方からステージまでの距離は700mほど、10台以上の大型モニターを使って演出されました。
「ステージの音が客席最後方に届くまで数秒のタイムラグがあった」「終演後の観客退席に数時間かかった」という伝説が残っているほど。
画像を見ると、その規模がいかに壮大で、前代未聞のイベントであったかがわかります。
一つのバンドがこれだけの観客を動員できるということ自体がすごいことで、それを企画した関係者、さらにはそれを実施して成功させた運営側の仕事ぶりは素晴らしいです。
メンバーもその後さまざまなインタビューで、当時の偉業を誇らしげに振り返っています。
「逢いたい気持ち」はドラマ「サトラレ」のテーマソング
テレビドラマ版「サトラレ」とは?
「サトラレ」は、もともと「以心伝心」や「テレパシー」の概念を用いたSF系漫画で、雑誌「イブニング」にて連載されていました。
テレビドラマ版では、オダギリジョー、鶴田真由などが主演し、漫画版とは少し違ったストーリーが描かれています。
「自分の考えていることがすべて周囲の人に伝わってしまう」、という特異な性質を持った医師と、彼を取り巻く人間模様が、物語の主軸となっています。
「逢いたい気持ち」は壮大なバラード
「逢いたい気持ち」は、彼らのヒット曲「HOWEVER」や「ずっと2人で…」の曲調にも通じる、ロックバラードの仕上がりとなっています。
GLAYが本来持つバンドのサウンドにストリングスの音が絡み、神聖で、かつ力強い雰囲気が生まれています。
本作のPVでは、枯れ木の生える荒野が背景として描かれていて、歌詞の内容にもある、「別れた恋人を思って渇いてしまった主人公の心情」が表現されているようにも感じました。
ギタリストであるTAKUROが、本PVであえて演奏する鍵盤のサウンドも、ロックバラードとしての気品高いムードを演出しています。
「逢いたい気持ち」の歌詞をチェック!
昔の恋人を想う主人公
逢いたい気持ちがため息に溶けてゆく
愛しい人は思い出のままで
消せない慕情に若さの過ちだけ
燻り焼ける苦味を残し 夢いずこ
出典: 逢いたい気持ち/作詞:TAKURO 作曲:TAKURO
別れてしまった恋人を思い、またため息をつく主人公。
二人一緒に過ごしていた当時にはつらかった思い出も、時が経つと全て懐かしく思えるもので、彼もまた思い出の中だけに存在する「愛しい人」のことを特別な存在として感じています。
「燻り焼ける苦味」という歌詞によって、どこかほろ苦い、そして燻って薫り高く感じるような、美しい過去への思いが表現されています。