君の愛も僕の意固地も 明日を超えてゆけるかな
世界最終日その日の午後に残ってる方を 勝者としようさ

出典: DARMA GRAND PRIX/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

もし明日を超えられるとしたら、君の愛と僕の意固地、どっちなんでしょうか。

今すぐ勝者を決めることはできないから、世界の終りの日の午後に残っているほうが勝者ってことでいいんじゃないでしょうか。

だるまさんがころんだを逆再生して

あんたに嫌われるのは 一向に構いやしないけど
犬ッコロに吠えられるのはさ なぜかずいぶんと応えるんだ
この世は 眠れぬ夜と死体、多忙、貧乏、退屈と期待から
いかにして逃げ遂せるかの だるまさん転んだの 逆再生

出典: DARMA GRAND PRIX/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

タイトルの意味がここで出てきましたね。

「grand prix」とはグランプリオートレースのことです。つまりはダルマの賞レースということなんですが、それだけじゃわかりませんね。

今の僕の人生はだるまさんが転んだを逆再生したようです。

世の中にあふれる退屈というのは、期待が崩れて退屈に変わり、貧乏になって多忙になって死んだように眠る、だけどいつの間にか眠れなくなったという状態なのでしょう。

どうやってこの連鎖から逃げ出すかということ、君に嫌われるのは構わないけど、弱者にかみつかれるような自分にはなりたくないという葛藤かもしれません。

あなたがすることのすべては…

誰が何をどうしたって どんなんなってんでどうなろうが
んでどれだけ気になるようなその素振りを振りまいても
あなたがする全ては そのあなたのその欲望の
そのどれかを満たすためだけにあるなんてさ

すごいよ

出典: DARMA GRAND PRIX/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

誰かが何かをしてもどうなるかなんて、誰も知ったことではありません。

それでも気になるよという素振りを見せて、あなたがいったい何をするのか、何を望むのか、ただ知りたいのです。

あるいはあなたの欲望のいずれかを満たすために僕が存在するのなら、それはすごいことじゃないでしょうか。

自己犠牲なんてものを

君の「デモ」も僕の「ダケド」も 明日を超えてゆけるかな
一度でいいさ 純度百度の 自己犠牲なんてやつをしたいもんだ

出典: DARMA GRAND PRIX/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

君はいつも「でも」や「だけど」を繰り返しています。もしそれが明日を超えて行けるというのなら、僕は全く持って穢れのない自己犠牲をしてみたいと思うのです。

結局無敵なのは

この世でいざ今無敵なのは 被害者 敗者復活の時
自然消滅の3秒前に 笑うのはそう この僕のほうさ

出典: DARMA GRAND PRIX/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

最終的に勝者となるのは被害者で、向かうところ敵なしなのです。確かに被害者なら同情も集められますし、加害者に避難の目を向けることもできますね。

それこそ敗者復活の瞬間で、自然消滅してしまう3秒前に僕は笑って見せるのです。

アルバム『×と〇と罪と』に収録

アルバム『×と〇と罪と』はRADWIMPSメジャー5枚目のアルバムとして、2013年12月11日に発売されました。

制作の背景

アルバム『×と〇と罪と』は2012年の春から楽曲の制作が始められ、シングル「シュプレヒコール」の収録と同時進行したと言います。

所属事務所の社長から次のアルバムのことを聞かれたとき、前のアルバムより自分たちが感動しなければ出せないと答えました。

そして手ごたえを感じられるまで待ってほしいと野田さんは言ったのです。この時点でアルバムがどのような形になるかは全く考えていなかったそうです。

また東日本大震災後もすぐにツアーを開催し、被災地へ行った時間が濃密過ぎたために音楽活動を始めようという空気もなかったと言います。

音楽活動をしようと思えたのは、2012年3月にリリースした「自白」がきっかけでした。

東日本大震災以降、楽曲制作のスタンスが変わり、以前のような苦しい葛藤とは別次元で音楽と向き合うことができたと言います。

野田さんも自分の夢が追いかけられるバンドRADWIMPSで、どこまでも引っ張っていく覚悟を一番強く持てたと言います。

結果、アルバム『×と〇と罪と』はどのアルバムよりも強く4人で鳴らせる音楽で構成されているのです。

まとめ