床を撫でるだけの雑巾がけのように
形だけは一丁前で あぁ
出典: 振り子/作詞:Uru 作詞:Uru
失意の中、自分に嘘をつくことでなんとか自分を保とうとする主人公。
独りでいる時は自己否定を続けますが、他人といる時は自分を欺いて体裁を整えようとします。
一度嘘をつくと、徐々に無くなっていく嘘をつくことの罪悪感。
嘘を上塗りして仮面を作り、仮面をつけることで人の和を乱さないよう取り繕おうとしてしまいます。
SNSには生活の一部だけを切り抜いて、あたかも幸せそうに他人に思わせることに慣れきってしまう主人公。
器用でコミュニケーション能力がある反面、嘘の自分と本当の自分のギャップに苦しんでいる様子です。
独りでいると自己嫌悪に陥る
塵を舞い上げて吸い込んで
噎せ返っては一人泣いて
出典: 振り子/作詞:Uru 作詞:Uru
嘘をつくのにすっかり慣れてしまったころ。
ふと自身を見るとそこには嘘だらけで薄っぺらい自分の姿を見て絶望している様子が見受けられます。
自己嫌悪に陥ってしまって部屋に一人っきり。
今となっては窓の外の青空ははるか彼方で、自分が繰り返してきた薄っぺらい嘘が自分を傷つけてしまいます。
自分の嘘のせいでとうとう網戸は部屋の中まで迫ってきて、それに絶望して泣いています。
自分を許してくれる人の存在
それでも私はどこかで
ずっと愛を求めてた
出典: 振り子/作詞:Uru 作詞:Uru
そんな辛い時にこそ、一言「大丈夫だよ」と許してくれる人が隣にいるだけで救われることも。
何もかもが上手くいかない日でも、一人だけでも愛を持って許してくれる存在を探し求める主人公。
今日ダメでも、昨日までがダメでも、そんな自分を許してくれる。
友人や恋人を渇望するようになります。
現実と理想のギャップに苛まれる
目が覚める度に感じる絶望
毎日夢を見て 毎日目が覚めて
夢と現実の狭間で
ぶら下がって足を浮かせたまんま
出典: 振り子/作詞:Uru 作詞:Uru
あたかもまどろんでいるかのような幻想的なシンセ。
そして、夢から現実に引き戻すかのような悲劇的なピアノが対象的なサビとなっています。
主人公は自分の都合の良い未来を夢見みますが、目が覚めた瞬間に現実に突き落とされます。
自己嫌悪と現実逃避を繰り返して、現実と幻の区別がつかなくなってしまうような描写です。
夢を見るには現実は辛すぎる。
現実を見るには夢はあまりにも遠く離れている。
そんな心境になった方も少なくないのではないでしょうか。
誰かの都合に振り回される自分
風が吹けば吹いた方に流されて
我武者羅に走ってきた汗も
ただの塩にしてきた人生も
出典: 振り子/作詞:Uru 作詞:Uru
誰かの意見に流されることは、現実でもよくあるはずです。
主人公も同様に、反論する気力を無くして促されるままに突き進んでしまいます。
自分の意思を置き去りにした努力は、結果としてただの過去となってしまいます。
「努力は報われる」。そう信じて頑張ってきたのに、結果が出ないことは多くの方が経験しているはずです。
他の人に流されて、頑張ってかいたはずの汗がただ塩の結晶になった。
まるで嗚咽しているような歌声が酷く落胆している様を表しています。