いよいよ宇多田ヒカルの泣ける曲ランキングTOP5の発表です。

第5位は「誰かの願いが叶うころ」です。

美しい歌詞の世界を堪能できるピアノ中心のシンプルな演奏が素晴らしい曲です。

映画『CASSHERN』の主題歌

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この曲は紀里谷和明監督の映画CASSHERN」の主題歌として決まっていました。

紀里谷和明は当時の宇多田ヒカルの夫でもあります。

映画をイメージして珍しく歌詞を先行して書いたと言われています。

あなたの幸せ願うほど わがままが増えてくよ
それでもあなたを引き止めたい いつだってそう
誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ
そのまま扉の音は鳴らない

出典: 誰かの願いが叶うころ/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

一聴すると恋心を抱いてはいけない方との不倫を匂わせます。

しかしここでもファンは勘繰ります

宇多田ヒカルは当時まだ初めての結婚を遂げた時期です。

不倫と捉えるより映画の脚本からインスピレーションを得た歌詞なのでは?と。

願いは世界平和?

ここでは映画の詳細には触れません。

ひとつ言えるのは人間のエゴによる不条理を描いた脚本だということです。

あなたの幸せ願うほど わがままが増えてくよ
あなたは私を引き止めない いつだってそう
誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ
みんなの願いは同時には叶わない

小さな地球が回るほど 優しさが身に付くよ
もうー度あなたを抱き締めたい できるだけそっと

出典: 誰かの願いが叶うころ/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル

この世の中はいつもどこかで争いが絶えません。

そして傷つくのはいつも弱者ばかりです。

争いはどこかに利益をもたらします。

自分が享受している幸せはどこかの国の尊い犠牲の上で成り立っているのでは?

この曲はみんなの願いが同時に叶うことはないという悲しみを綴っているのでしょう。

第4位『桜流し』

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宇多田ヒカルの泣ける曲第4位は「桜流し」です。

人間活動と称し完全に表舞台から去ったのが2010年の事です。

活動休止中にも関わらず製作されたのが本作「桜流し」なのです。

リリースの経緯

桜流し」は「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の主題歌です。

彼女が大のエヴァ好きという噂は庵野秀明監督の耳にも届いていました。

庵野監督の熱烈なオファーによりこの名曲が生まれることになったのです。

ただしこの楽曲は双方の合意の上、脚本を見ない状態で作られています。

胸を締め付ける喪失感

もう二度と会えないなんて信じられない
まだ何も伝えていない
まだ何も伝えていない

開いたばかりの花が散るのを
見ていた木立の遣る瀬無きかな

どんなに怖くたって目を逸らさないよ
全ての終わりに愛があるなら

出典: 桜流し/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル・Paul Carter

一緒に桜が散るのを見ていた「あなた」はもういません。

おそらく永遠の別れ=死別してしまった大切な人物について歌われています。

彼女は今、「あなた」に何を伝えたいのでしょう?

前半に登場する「健やかな産声」。

最後の歌詞の「全ての終わりに愛がある」。

大切な人の死と入れ替わりに新しい生命が宿ったことが示唆されます。

まるで桜の花が散ってはまた咲くような人生の儚さを感じさせます。