本当の気持ちは…

! お願い
誰にも言わナイで 相手にしナイで
どうか 飽きナイ程度でいて
悪気なくても 貶し慣れたら
何も感じられなくなるのかな
誰にも効かナイで 相手にしナイで

出典: 居眠り遠征隊/作詞:ACAね 作曲:ACAね

先ほどまでは大胆な行動を繰り返していた主人公。

群れている集団には興味がない素振りを見せていました。

しかし実際のところは違っていて、やはり1人ぼっちは寂しい様子。

友人や仲間が欲しいと思っているようです。

しかし友人や仲間と認めるには、主人公なりに条件がありました。

その条件が1~2行目に綴られている内容。

一言でまとめてしまえば「程よい距離感で付き合ってくれる人」ということでしょう。

程よい距離感を望んだ理由

きっと主人公は、純粋な優しさを持っている人物です。

群れることで自身が傷つくだけでなく、知らぬ間に相手を傷つける可能性排除したかったのではないでしょうか。

学生のうちは、何か言えば集団から追い出され、何も言わなければそれはつまり「共感」の合図になってしまいます。

黙っていれば自分の身は守れますが、その一方で知らぬ間に誰かを傷つけてしまう。

反対に誰かを守ろうと言葉を発すれば、その一方で自分自身が傷つくことを避けられない。

そんな矛盾が当たり前という空気の中に晒され続けたら、いつか自分の中から罪悪感が消えてしまうのではないか…?

自分自身の未来に対して大きな不安を抱いているようです。

だからこそ繰り返しになりますが、主人公が望む関係は「程よい距離感」が必須条件というわけです。

そんな自分は嫌いだけど

どうか 飽きナイ程度でいて
つまらない自分 受け入れるほど
何か やる気が漲るのかな〜あ、aaa..

出典: 居眠り遠征隊/作詞:ACAね 作曲:ACAね

生き辛さを感じながらも、なんとかしたいと行動していた主人公。

歌詞中でも、どっちつかずで無難な自分は面白くないと一刀両断!

そんな激しさを持ちつつも、最後には「そんな生き方がいいな~」と、どこか楽観的な空気も感じさせます。

歌詞のテーマが非常に深く考えさせられるのに、すっと聴けるのはこのギャップ故でしょう。

学校に潜む怖い怪物

君にだけは絶対 いじられたくなくて
有る事 ナイ事 イイふらしモンスターが
呼び出しを食らって また標的だって
知らナイふりして 静かに暮らしたいけど

出典: 居眠り遠征隊/作詞:ACAね 作曲:ACAね

ここまでの歌詞で、誰に対しても程よい距離感を保ちたい、という願いを語っていた主人公。

しかし1人だけどうしても関わり合いたくない人がいるようです。

それが怪物なんて異名で呼んでいる君。

あなたの身の回りにも1人くらいいるのではないでしょうか?

注目されたいのか、仲間はずれが怖いのか、とにかくあちらこちらでアレコレ喋るような子が…。

そういうタイプとは程よい距離感なんて保てません。

意図的に避けていなければ、知らぬ間に相手から距離を詰められてしまうのですから。

主人公はなんとか関わらずに生きる方法を探っているようですね。

ただ、この時点では明確な答えを掴むことができませんでした。

前を向け

なんでもポジティブに

誰かの期待に応える必要ナイの
盛られた噂に白目 向けたらイイの
優勝候補に毎回 当たるからには
負け方くらいは テンポよくありたいわ
何もかも全部 受け継がなくてもイイの
何を優先に 大切にできたらイイの
優勝候補に毎回 当たるからには
負け方くらい こっちが決めさせてもらうわ。

出典: 居眠り遠征隊/作詞:ACAね 作曲:ACAね

これまで「ない」という言葉で様々な物事を否定し続けてきた主人公。

なんと最後のサビでようやく、「いい」という肯定的な言葉が登場しました。

目立たなくてもいい。いや、むしろ目立ちたくない。

そんな気持ちで、集団から浮かないように息を潜めてきた主人公。

でもそんな風に周囲の様子を窺いながら過ごす日々には、やはり価値など感じられなかったのでしょう。

最後に、これまで押し込めていた本当の自分自身を解き放とうとしています。

本当の自分を押し込めて、偽った姿で生きていくくらいなら…。

2行目にある通り、反骨精神むき出しで立ち向かおうとしていますね。

直前の歌詞で悩んでいた怪物との付き合いも、きっとこうやって強い気持ちで乗り切るつもりなのでしょう。