誰かとの別れを経験しようとしているのでしょう。
その決断をしようかここではその岐路に立ち迷っている彼女の姿が描かれています。
そのことが彼女の心境に、以前までとの違いをもたらしているのは確実です。
もし関係を終わらせるのであれば今がベストなタイミング。
しかしそれを躊躇してしまうのは、今までの思い出が邪魔しているからかもしれません。
これが恋愛に関する話だと考えると1番分かりやすいのではないでしょうか。
好きだった相手と築き上げてきた大切な思い出の数々。
今では以前までの思い入れはないけれど、その思い出の大きさに気持ちが躊躇しているのでしょう。
幸せだった日々に別れを告げるのは、案外難しいものです。
忘れられない気持ち
混乱を示す言葉たち
沈むタイタン号
燃える人形町
声を荒げる水金地下木
出典: 消えない/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
1行目が表しているのは、恐らくタイタニック号のことでしょう。
2行目では、実在の町が燃えている様子を歌詞にしています。
3行目のフレーズは何を指しているのかは定かではありませんが、何かに憤っているような様子です。
ここでは彼女の心境を表しているのではないでしょうか。
この3行では全て、何かが劇的に変わっている様子を表しています。
何かが邪魔をする
なのに消えない
消えてくれない
心尽きても何かが消えない
出典: 消えない/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
そんな風に風景が変わっていくのを感じながらも、忘れられずにいる気持ち。
自分ではその気持ちを消してしまいたいとさえ考えているのでしょう。
しかし心の中で、こびり付いているかのように気持ちの断片が残り続けている。
その断片がどんな形をしているのか主人公は自分でも分かっていないのでしょう。
自分自身に生じた心境の変化は受け入れつつも、変化したにも関わらず消えない感情に戸惑っているのです。
恋人に対しての熱い想いが、今では冷め切っている。
それなのに心の中にはわだかまりが今も残っていて、それが彼女に違和感をもたらしているようです。
過去とこれから
変わっていく自分
案外笑顔で過ごせてる
ただ新しい日々が
ちょっと怖いような気がした
自分じゃないみたいで
出典: 消えない/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
心の中にはわだかまりが残りつつも、今では別れの後の日々を楽しめている自分。
今までの自分とは違う存在になったと思っていながら、まだ新しい自分に慣れることができずにいます。
別れから日にちが経っていないにも関わらず自分が既に日々を楽しめていることに罪悪感があるのでしょうか。
自分の変化を受け入れられないのは、やはり心に何かが引っかかっているからなのでしょう。
過去の自分が残していった感情。
それにまだ囚われていて、新しい自分になることへの怖さを感じているのではないでしょうか。
心に残されて気持ちの断片が消えないことに疑問を抱きつつも、そこにはまだ未練もあるのかもしれません。
彼女は今、過去の自分とこれからの自分の狭間で気持ちを整理しようと奮闘しています。
ここは理想の場所
ここは桃源郷
またはティルナノーグ
永遠にたゆたう天上天下
だけど行けない
行っちゃいけない
引き止めるような何かが消えない
出典: 消えない/作詞:津野米咲 作曲:津野米咲
1行目の「桃源郷」は、言い換えるのであれば自分にとっての理想の場所。
今の自分がいる立ち位置が、理想であると考えていることが分かります。
そして2行目の「ティルナノーグ」。
これは、この言葉自体を知らない人も多いのではないでしょうか。
語り継がれている多くの話によれば、このティル・ナ・ノーグは妖精たちの好みの棲み家であり、三通りの島々、すなわち、生き物の住む島、勝利者たちの島、そして水底の島と言われている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ティル・ナ・ノーグ