槇原敬之「軒下のモンスター」とは?
2012年に発売された「軒下のモンスター」で槇原さんは、歌詞の中に自分が同性愛者であることに気づいたときの思春期の葛藤のようなものを歌っています。
槇原さんは以前からよく同性愛者なのでは?と様々な方面から噂をされており、この楽曲を「カミングアウトソング」と位置付ける方もファンの方の中では多いようです。
しかし、この「軒下のモンスター」は、マイノリティを歌った歌詞が感動的だと話題になり、そういった同性愛者の方はもちろんそうでない人たちにも元気を与え続けています。
「軒下のモンスター」の歌詞に隠された深い意味とは?
この歌詞のように、世間一般の常識に私たちは支配され、みんなちがってみんないいはずなのに、そんな「普通」から少し外れた瞬間、周りの目が突然厳しくなったり、生きづらくなったりします。
どうして、「軒下のモンスター」の歌詞が作られたのか?
普通に結婚して子供を何人か授かって
それ以外は幸せとは誰も信じないようなこんな街で
出典: 軒下のモンスター/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之
特に日本は、そういう風潮が強いところがあるため、陰で噂をされたりと、少し他人と違うだけで、肩身の狭い思いをしていたり、辛い思いをしている人が多くいます。
だからこそ、槇原さんは、こういったマイノリティや同性愛者の人のために、このような歌詞を作ったのかもしれません。
軒先のモンスターはどんなモンスターなのか?
この曲の最後に、「僕は軒下のモンスター」という歌詞がありますが、このモンスターとはどんなモンスターなのでしょうか。
実はこのモンスターは、軒下にひっそり潜んでいて、自分らしく自由に生きれずに自分の本当の姿がバレるのが怖くて、おびえており、自分がマイノリティであることを正直に大きな声で言えないから、それを押し殺してひっそりとしていなければならない苦しみを抱えています。
心に押し込みため込んでいた気持ちをススキのざわめきに例える歌詞の表現力の高さがすごい!
恋しい人の名前を
遠慮がちに叫ぶと
その声に風が起こり
ススキが隠すようにざわめきだす
出典: 軒下のモンスター/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之
心に押し込めて自分自身の中にため込んでいた気持ちを、ススキのざわめきに例える表現力の高さがこの歌詞からうかがえます。
決して難しい表現ではなく、わかりやすくイメージしやすい表現で的確に心に響く歌詞を紡ぎだす力は一体どこからくるものなのでしょうか。
自分は人とは違うんだという苦しみを歌詞にあらわしている
その時ずっと解けずにいた謎の答えが分かった
好きになる相手がみんなと僕は違うんだと
出典: 軒下のモンスター/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之
周りと自分は違うという苦しみをこんな風に歌詞にできるということは、槇原さん自身もこういった苦しみをずっと抱えられてきて、乗り越えているという強さを持っているからなのだと感じます。
この「軒下のモンスター」の歌詞の場合は自分が同性愛者である事実、「好きになる相手がみんなとは違う」と気づいた瞬間、ずっと苦しみ続けていた謎が解けたとありました。