もともとヴィジュアル系バンドとしてデビューしたJanne Da Arcなので、楽曲は非常に強固です。
yasuのヴォーカルは伸びやかでしなかやなのに力強く、ハイトーンでよく通りますね。
そして歌が上手い。
2時間近いライブですが、体調が悪くなければほぼCDと変わらないクオリティを保っています。
ギターテクはウルトラ級のyouは、洋楽を中心に聴き込んで、寝る間も惜しんで練習していたそうです。
初めて買ったギターを抱いて寝たという、都市伝説的な逸話もあるほど。
天然さんなので、ギャグはよくスベりますが、だいたいkiyoにフォローされています。
ベースのka-yuは、もとはギターをしていましたが、一度脱退して再加入の際にベース担当になりました。
自身で歌唱もするため、楽曲も作りますし、yasuいわく「ka-yuでないと作れない曲」というものもあり、現在のJanne Da Arcに新しい方向性を見せてくれるメンバーでもあります。
Janne Da Arcの影の黒幕とも言われる(?)キーボードのkiyoも、非常に洋楽を好んでいて、愛嬌のあるぽっちゃり体型からは想像もつかない速弾きをします。
おっとりしていて優しいキャラクターですが、キレさせたら一番怖い人。
ドラムのshujiはJanne Da Arcの父のような存在ですね。
ファンから「パパ」と呼ばれたりもするので、知らない人が聞くと「え?子持ちなの?」と驚いてしまうかも知れません。
そんな仲良しな5人が奏でるメロディーは、力強く殴られたかと思うと、優しく繊細な手を差し伸べてくれるような、多彩な音楽性に満ちています。
突然の活動休止
話し合った結果
2006年5月に25枚目のシングル曲となる「HEAVEN/メビウス」が発売され、さいたまスーパーアリーナで現在のメンバーとなっての10周年記念となるライブを行いました。
しかし2007年に、バンド結成10周年を節目として、各々がソロ活動することが発表され、ファンの間には衝撃が走ります。
何故、何があったの、どうして……そんな心配もありましたが、別にバンド内で揉め事があったわけでも、解散の危機に瀕していたわけでもなく、それぞれが一度自分の道を歩んでみよう、というもののようです。
yasuはAcid Black Cherryとしてさらなる活躍をし、Janne Da Arcを知らないファンも獲得していきました。
ka-yuはDAMIJAW(ダーミージョウ)名義でソロ活動をし、自身で歌唱もしたCDも発売しています。
you、kiyo、shujiもそれぞれに楽器を使ってインスト曲を作ったり教本を作ったり。
Janne Da Arcのファンクラブ「マドモアゼルなあなた達」は今でも存続していますし、各自のソロ活動の情報も、主にここから発信されています。
また改めて集結し、成長した彼らを見たいですね。
「霞ゆく空背にして」の歌詞
失恋だけど強くなれる
Janne Da Arcの楽曲は、基本的に明るいです。
もちろん、ものすごくダークで意味深なものや、リアルに社会問題を取り上げたものもありますが、全体的なイメージとしてはやはり「明るい」と言えます。
「霞ゆく空背にして」も失恋ソングではあるものの、そこには悲壮感などはありません。
むしろ感謝や純粋な愛情があるでしょう。
霞ゆく空背にして 僕はもう振り返らない
二度と逢えないとしても
君と逢えた めぐり逢えた 奇跡を抱きしめられたら
不思議にこの不安は消えるから
出典: 霞ゆく空背にして/作詞:yasu 作曲:yasu
冒頭はシンプルなギターにヴォーカルが乗り、ベースとドラムとキーボードがかぶってくるという、サビからのスタート。
これだけの歌詞で、おおよそ恋人同士の間に何があったのかを察することができます。
シンプルに言えば、フラれたわけですが。
もう二度と会えなくても、めぐり会えたというその奇跡だけで十分だ、という清らかな愛情。
とても前向きですね。
錆び付いたフェンスに登って 明日さがした 新たしい自分を見つけたくて
少しだけ早い粉雪 指に溶けて 胸にしまい込んだ傷にしみた
出典: 霞ゆく空背にして/作詞:yasu 作曲:yasu
時間軸はサビよりやや戻る感じです。
失恋した後、やはり傷付いた気持ちがあったのでしょう。
新しい自分、新しい恋を見つけたくて、高いところから遠くを見ようとしたけれど、粉雪が溶けた程度でもしみるほどの傷だったのです。
せっかく胸の奥にしまい込んでいたけれど、そこにまで届くほどだったのですね。
口づけて 愛し方 教えてくれたなら
忘れ方も 教えてよ
出典: 霞ゆく空背にして/作詞:yasu 作曲:yasu
こんなに愛しい気持ちを教えてくれた、素敵な人。
けれど別れてしまうことになるのなら、その気持ちの忘れ方まで教えておいて欲しかった。
けれどもう、直接その人に文句を言えることもないのでしょう。
わがままに言いたくなる気持ちが、切ないほどに伝わってきます。
霞ゆく空背にして 僕はもう振り返らない
二度と逢えないとしても
ためらいのない 想いだけが ただ一つあればいいから
春を待たず 新たな旅に出よう
出典: 霞ゆく空背にして/作詞:yasu 作曲:yasu
再びサビです。
もう振り返らないという気持ちに、一区切り付けられたのでしょう。
早めの粉雪が舞うような季節ですが、春を待たずに出発しよう。
大切な人との思い出があれば、きっともう大丈夫。
そう感じさせます。
僕の考えは間違いと 自分隠した 正しさが何かもわからずに
流した涙の数だけ 君を愛してた これだけは言えるよ間違いじゃない
出典: 霞ゆく空背にして/作詞:yasu 作曲:yasu
ここから2番です。
自分が間違っていると思って、本音を出せなかったせいで、別れにつながってしまったのかも知れません。
何が正しいのかもわからないのに、自分を隠してしまった。
たくさんの涙を流すような恋だったけれど、愛していたというその気持ちだけは、決して間違いないと言い切れる自信があるのです。
自分の考えは間違っていると思っていたけれど、それだけは間違いではないのだと。