明らめたくて 名前を呼んでみたけど
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
"明らめたい"という表現が出てきましたが、この言葉には2つの意味が込められていると推測できます。
1つ目は諦めたいという意味。
彼のことを諦めて前に進みたい気持ちが表現されているのです。
諦めるために彼の名前を呼びますが、その行為は空回りに終わってしまいます。
そして2つ目は、文字通り明らかにしたいという意味。
ここで明らかにしたいのは君がいないという現実と、彼を諦めたいという自分の意志であると考えられます。
実際にはそのどちらも理解しているのですが、自分の中では消化しきれていないようです。
わかってる わかってる
まだ成れていない それだけ
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
ここでも2つの意味を持つ"成れる"という言葉が。
漢字のままで行くと、何かに成ることができるという意味。
つまり、彼を諦めて生きる自分には成りきれていないことを表しています。
そしてもう1つ、漢字は違えど"慣れる"という意味も隠されているように思えます。
彼がいない生活に未だ慣れていないのです。
この生活に慣れれば、つまり時間が経てば彼のことを忘れられるのではという希望も込められていると考えられます。
どこまでも付きまとう想い
叶えたいもの
いつか 叶えられるまで 辿り着けないよ
ふと よぎるたび 歌にしまうんだよ
涙にもなれない憂だけで 遠く願うんだ
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
主人公が辿り着きたいのは彼が居なくても生きていける世界。
1人で生きていける強さが欲しいのにどうしても頭から離れてくれないのです。
彼を思い出すたびに歌にその想いを紡ぐ主人公。
彼に会いたいと願うも、それが虚しい願いであることはわかっています。
ちぐはぐで飛び込んで いけるとこまで
近づけるほど 夢で会えるかな
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
夢でいいから会いたいと願う主人公。
この表現で、主人公には現実がちゃんと見えていることがわかります。
現実では会えないからこそ夢で会いたいのです。
彼という幻と決別できそうでできない、モヤモヤとした状態が続きます。
忘れたいのに忘れられない
探さなくていい 探さないでよ
今は 忘れさせてよ
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
それだけ強く想っていながら、彼からは探さないで欲しいと告げています。
彼に会いたくてたまらない想いもあるけれど、心の底では彼を忘れたいのです。
忘れて前に進みたいのにどうしても彼の影がちらついてしまう。
そんな葛藤が感じられる一節です。
自分のための歌
綺麗事な涌かさで括るけど
遠回る言葉じゃ時間がないから
柄にないこと 言わせてよ
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
ここで"涌"というフレーズが出てきますが、これも2つの意味を持つ言葉であると考えられます。
1つは"若さ"。
若さゆえに綺麗ごとばかり並べてしまい、なかなか彼に伝わるような言葉が出てこないのです。
もう1つは"涌く"という漢字のままの意味。
言葉が涌いてくるといった表現をかけているのでしょう。
若くて未熟だからこそ綺麗ごとばかり湧いてきて、素直な言葉が出てこない主人公。
しかし、そんなことばかり言っていた自分とは決別し、柄にもないようなことを伝えさせて欲しいと告げています。
想い続ける脆さを込めた
君のためにって 僕のためで
薄っぺらい歌
出典: またね幻/作詞:ACAね 作曲:ACAね
伝えたかったのは、想いを乗せたこの歌。
つまり、「またね幻」という楽曲自体がこの主人公が想いを連ねていた歌だったのです。
彼への率直な気持ちを「またね幻」に乗せて伝えようとしていた主人公。
この歌には、彼への想いがたくさん込められていました。
それらは一見彼のための言葉に見えますが、実際は自分が楽になるためのものであると言っています。
そうした自分のための言葉を書き連ねてこの歌は出来ているのです。