赤い目をした幽霊は、血溜まりを見ていたのかもしれませんね。
そして駅のホームにいた自分も血溜まりに光が射す様を見ていました。
ホームにいた客の多くが血溜まりを見ていたでしょう。
つまり、そこにいる誰もが次なる「赤い目をした幽霊」になる可能性があるのです。
それに気づいてしまったら、動揺しますね。
内なる声に耳を傾けた瞬間、足元が揺らぎます。
だからこそ何も聞こえない、何も見えない速さで生きるか死ぬかの瀬戸際を行けと歌っているのでしょう。
生き抜いて
出典: 生きろ。/作詞:池貝峻,コムアイ作曲:池貝峻,篠田ミル,杉本亘,コムアイ
バランスを保ったまま辿り着いたゴールには、何が待っているのでしょうか。
東京で暮らす人々の中で、無事ゴールに辿り着ける人はどれほどいるのでしょうか。
暇ならひたすら『生きろ。』
東京という都市、人の目の前で人が死ぬことがそれほど珍しくもない都市だからこそ、この曲が成り立つのでしょう。
例えば2018年の鉄道の人身事故統計を見てみると、事故最多都道府県は東京都です。
人口比率を加味しても結果は同様でした。
自分には関係ないことだと考えていても、ほんの少し風が吹いただけで、くしゃみをしただけでバランスを崩すかもしれません。
この曲では「自殺反対!」という当たり前のスローガンを掲げているわけではないのでしょう。
死を選ぶのは自身の権利。反対されたとしても反射的に死を選ぶ人が多いから、人身事故が絶えないのです。
その選択を必ずしも「悪」として片づけるのは正しいことなのでしょうか。
人がひとり死んでも冷静に血の池の神々しさを見ていられる人たちに「自死は悪だ」という権利があるのでしょうか。
人に構っている暇があったら全力で生きたほうが得策。そんな風に感じた『生きろ。』でした。
2018年の都道府県別鉄道人身事故ランキング | 鉄道人身事故データベース
2018年の都道府県別鉄道人身事故ランキング
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