誰かと交わった君を妬んで
汚れてく君を二度と見たくねぇ
これ以上いられない俺はシラフで

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

主人公の思いは届かないまま、歌手は別の人を好きになったようです。

傷ついたのか、事実を受け容れられなかったのでしょうか。

主人公が酒に逃げている様子がうかがえます。

「思い」と「想い」

日が経つにつれ想いは増すばかりに一途で
火つける愛してる気持ちは
遠く吹かず煙が舞い散る上空

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

けれど主人公の恋心が消えたわけではありません。

むしろ気持ちは強まります。

ここで、漢字の違いに着目したいと思います。

少し戻って、1番の歌詞を再び抜き出します。

赤目で告げる思いの意味さえ

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

ここでは「思い」という漢字が使われています。

こちらの字は、幅広い意味で何かを考えることを表すものです。

心の動きを表すこともあります。

日が経つにつれ想いは増すばかりに一途で

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

そして2番に入ると、「想う」に漢字が変わっています。

こちらの字は、物や人に対して特定の感情を抱くことを表す字です。

懐古、憧憬、恋愛感情などを表します。

ますます恋心が募っていることが、漢字の選択にも表れています。

しかし、主人公の思いは歌手のもとまで届かないようです。

気持が届いているかを「火」「煙」で表すのが、なんとも詩的です。

怒りを押しとどめたい本音

吸って吐いて体巡る
濁った空気の中掻き回して
忘れないで本当なら
惹かれる声に溺れていたかった
吸って吐いて体巡る
濁った空気の中掻き回して
忘れないで苦しい夜
君の呼吸に救われていたこと

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

ここは、再びアサキさんが歌うパートです。

先ほどと同じ歌詞の後に、内容の変わった言葉が続きます。

気落ちする主人公の気持ちを落ち着かせようとしているようにも見えます。

恋が実らないと知った時、人間は大きく2種類の反応をすると思われます。

1つ目は、深く傷ついて内向きになってしまう反応。

そして2つ目は、恋心を抱いた相手や周囲に怒りを抱く反応です。

悲しんだ後に怒りが湧いてくる人もいるでしょう。

主人公はやけ酒をしている雰囲気だったので、怒りを外に出すタイプかもしれません。

ここでは怒りで我を忘れないように、心の奥底で冷静さにしがみついているのでしょうか。

まるで「悪いことばかりではなかったよ」と励ましているかのようです。

すべての出会いには何らかの意味があると言われています。

恋が実る、実らないに関係なく、出会って好きだと感じたことが重要なのでしょう。

ともあれ、時が経たないとそう感じることは難しいものです。

主人公の気持ちが晴れる時はくるのでしょうか。

この曲のこと? 暗闇で生まれた言葉

暗闇の中書き綴るまた
どうすれば混じり合えるのかな?
とか考えてる間にほら
君と言葉という名の赤子が産まれた

出典: オトノ葉feat.アサキ/作詞:GADORO,アサキ 作曲:アサキ

非常に文学的で、考察を経ないと意味が読み取りづらい歌詞です。

主人公が何かを書いていることは比較的容易に分かります。

結論から言えば、「君と言葉という名の赤子」とはこの曲自体なのではないでしょうか。

「言葉」を「言の葉(ことのは)」と言い換える場合があります。

曲名である「オトノ葉」と非常に響きが似ています。

さらに拡大すると、ずっと「君」と呼ばれてきた歌手の名前も明らかになります。

ずばり「オト」さんです。

「君」というのが「オト」で、「言葉」が「ことの葉」。

2つを掛け合わせて「オトノ葉」

まだ赤子だと書かれているのは、歌詞が出来上がったばかりだったからでしょうか。

完成前の原型であることを表しているのかもしれません。

それでも気持ちは定まらないまま