ここからは好きな人と一緒にいる主人公の歌詞です。

Speed」と「Sweet」と英語で韻を踏んでいますね。

英語も似た発音やつづりの単語を使った言葉遊びをするそうです。

似た単語を使うと、歌詞が奥深くなるだけでなくリズムも出てより盛り上がる曲になるでしょう。

よく恋愛駆け引きといわれますが、二人はその真っ最中なようです。

主人公が獣にも薔薇にもなれるように、愛する女性もまた色々な側面があると考えられます。

様々な顔を見せるという化かし合いをすることで、お互いはお互いをより好きになっていくことでしょう。

放物線

Pa Pa Pa-ra-bo-la 感じてるよ (カーブが微熱を帯びて)
Eh-O O-Eh-O
Love love love heaven 存在理由探してる

出典: 獣と薔薇/作詞:SAKRA 作曲:SAKRA

1行目の「Parabola」とは、「放物線」のことです。

何かを投げる時、動物が跳ぶ時、こうして放物線を描きます。

軌道を表す言葉なのですが、この歌詞では放物線そのものを「感じている」というのです。

この歌詞の場合、空中にある物体が放物線を描いているという意味ではありません。

物体そのものが放物線になっているということでしょう。

「熱」を感じているわけですし。

何が放物線状になっているのか…相手の女性の体?

これは、かなり際どそうな描写ですね。

鋭い眼光

白黒ノ空 光ッタEyes
パッと雨飛び散って 蕾が咲く

出典: 獣と薔薇/作詞:SAKRA 作曲:SAKRA

獣は、暗闇で目が光って見えます。

光っていると獲物を逃さないという、鋭い印象があるものです。

1行目は獣になっている主人公のことを描いているのでしょう。

理性がなくなって色すら認識できず、空が白黒に見えるのかもしれません。

そして何も考えなくなった分、これまで降っていた悲しみの雨も止みます。

雨が弾けるように消えると、太陽の光が差し込んできて花が誘われるように開いていくのです。

これこそが主人公が求めていたもの。

花を咲かせる太陽の光は、好きな人と愛することで差し込んでくるものなのではないでしょうか。

壁の向こうで咲く薔薇

愛の中 お前は薔薇になる
ありのまま 昨日の殻を破る
ギザギザ 紅と緑のモザイク
俺はマダマダ 夢の途中
毀せThree, two, one Go! 壁を越え
お前を奪いに行く

出典: 獣と薔薇/作詞:SAKRA 作曲:SAKRA

主人公は好きな人を「薔薇」にしようとします。

彼が願っていた「希望の花を咲かせる」という意味にも、また別の意味にも感じられそうです。

2行目の「殻」というのは、獣になっていた時のものでしょうか。

あの時愛を求めて本能のまま走り続けていたように、好きな人の前でも獣になります。

いくら人間でも、動物としての本能があるのです。

「ギザギザ」は薔薇の葉のことで、「モザイク」は薔薇が咲いているのを遠目に見たものかと思われます。

あまり具体的な描写ではないのは、理性がないからかもしれません。

理性がなければそこまで深く考えられない筈です。

ですから人間に戻った時、「何となくこんな感じ」というぼやけた光景しか思い出せないのでしょう。

それでも、少なくとも幸せだったことは忘れていません。

何も考えず、ひたすら好きな人と共にいるのは夢のような心地でしょう。

「獣と薔薇」は「夢」か「妖かし」か

「獣と薔薇」が収録されている「PARADE」は、「夢」「妖かし」をテーマにしています。

「妖かし」とは妖怪や幽霊のような、科学では説明できない不思議な存在のことです。

要するに「現実かどうか分からない、不思議な世界」ということでしょう。

「獣と薔薇」も例に漏れず、このテーマを貫いていると思われます。

ただし「獣と薔薇」には「妖かし」のような存在は出てきませんでした。

主人公が獣になっていたというのも、たとえですから違うでしょう。

どちらかというともう一つのテーマである「夢」が歌詞に登場しています。

獣になった主人公は本能のままに行動していました。

ふと人間に戻った時、獣だった時のことはあまりよく覚えていないように感じられます。

「空が光った」や「モザイク」など、獣だった時に見た筈の情景も簡単で抽象的です。

もう一つが好きな人と愛し合っている時を「夢見心地」と表現していました。

天国にいるかのように幸せで、気を抜くと記憶から幻のように消え去ってしまうもの。

「PARADE」の中における「獣と薔薇」は、「夢」の方を担う立場の曲なのかもしれません。

Hey! Say! JUMPが描く男性美

Hey! Say! JUMP【獣と薔薇】歌詞の意味を徹底解釈!獲物は壁?獣が薔薇を探し求める理由とはの画像

「獣と薔薇」の歌詞について解説しました。

今までのHey! Say! JUMPのイメージを大きく覆す曲といえるのではないでしょうか。

それでも「かっこよすぎる!」とファンの心をわしづかみにしたのはさすがといったところです。

よく「男は狼」などといわれることがありますが、「獣と薔薇」の主人公はまさにそんな感じでしょう。

好きな人を前にした時、男性はどうなるのか。

これを分かりやすくかつ優美に描いていました。

新しい世界の扉を開いた彼らの活動は、今後も目が離せませんね。

Hey! Say! JUMPの【ファンファーレ!】は夏の歌です。ファンファーレは本来なら楽器を使うけれどHey! Say! JUMPが歌う【ファンファーレ!】にはとても大切な意味が込められています。恋に変わるなんて…ドキドキしますね。歌詞を解説しましょう。