teto「暖かい都会から」は1stミニアルバムのリード曲!

「暖かい都会から」はteto(テト)の1stミニアルバム「dystopia(ディストピア)」のリード曲です。

結成から約2年、ついに「バズリズム02」の「これはバズるぞ2018」で紹介されてしまったか...と思っている方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、忘れらんねえよの柴田さんが推していたり、04 Limited Sazabysの山陰ツアーに突如誘われたりとデビューから話題性はありすぎるほどにあったからです。

ライブから評判が広まり、自主制作の音源はすごい勢いで売れ、スペースシャワーのパワープッシュにも選ばれ、知っている人はとっくに知っているという気持ちでしょう。

ただ、本当はtetoのことよく知らないけど、もう今更言えないと思っている方もいると思うので、今回は、まずtetoについて紹介したいと思います。

今期最注目のバンドの1組!tetoとは?

結成は2016年1月で、ボーカル兼ギターの小池貞利さんが職場の後輩だった佐藤健一郎さんをベースに誘ったのが始まりです。

その後、山崎陸さんをギタリストとしてメンバーに招き、同年12月に小池さんの学生時代からの友人の福田祐助さんがドラマーとして加入し、今のバンドの形になりました。

驚くことに、佐藤さんは元々バンド未経験で、山崎さんは小池さんが一度はバンドで音楽をすることを諦め弾き語りライブをしていたところ偶然出会って参加することになったそうです。

小池さんの人望でもあるのでしょう。

佐藤さんも以前のインタビューで、tetoのバンドとしての強みは小池さんの歌詞がかっこいいということを一番に挙げていました。

このことは曲を聴いていただければすぐにわかると思うので、次は「暖かい都会から」の歌詞を見ていきたいと思います!

teto「暖かい都会から」の歌詞を徹底解釈!

ここからはtetoの「暖かい都会から」の歌詞を解釈していきます。

なぜこの楽曲アルバムの1曲目なのか...その理由も探っていきたいと思います!

諦めずに大切にしまっていた夢を久々に開いてみたら、鮮度100%で昔の自分が蘇った

蝶々結びで締めた思い出を
そっと遠くについて開いたら
果汁100%の鮮度で蘇った 昔の私

出典: 暖かい都会から/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

歌い出しの部分ですね。

MVの初っ端では逆再生で注がれたオレンジジュースが戻っていき、不思議な雰囲気を演出しています。

「締めた」と諦めたは、字面だけなら漢字のへんの違いですが、意味は大違いですね。

また、固結びのように結んだら解けない結び方ではなく「蝶々結び」というところに、再び解く予定だったということがわかります。

諦めずに大切に心の中にしまっていた「思い出」を、時が経って開いて見たら、そのまま昔の自分が蘇ったのでした。

「果汁100%」のジュースが果実そのものの水々しさとフレッシュさを時間が経っても私たちに届けてくれるように、変わらない思いが蘇ったと表現しているのでしょう。

これは、作詞作曲も担当しているボーカルの小池さんが、高校の頃にやっていたバンドを辞めてから、しばらく音楽から離れていたことも反映されているのかもしれません。

だとすると、この後の歌詞からもわかりますが「思い出」というのは「夢」を追いかけてバンドをしていた頃」こと。

「思い出」に背中を押されて再び「夢」を追いかけ始めたら、昔の自分が活き活きと蘇ったというのは小池さん自身のことなのかもしれませんね。

続きの歌詞を見ていきましょう。

夢のままで終わらないための目覚ましが鳴って、再び夢を追いかけ始める

夢が夢のままで終わらないように目覚まし時計をかけていた
何時何時明日が来たっていいようにポケットから手をだしていた
耳元で戯言を囁く 小悪魔なんかは怖くは無かった
知らなかった

「相変わらず同族嫌悪と妄想してんの?」って見透かし帝王
「叶う叶う」と自称暖かい都会から見下す気分はどうだい

出典: 暖かい都会から/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

20歳の頃にバンドに対しても音楽を聴くことに対しても冷めてしまって音楽の世界から離れたということを以前のインタビューで語っていた小池さん。

しかし、自分の中では諦めても終わってもいなかったというのが「夢が夢のままで終わらないように目覚まし時計をかけていた」という歌詞に表れていますね。

「何時何時明日が来たっていいようにポケットから手をだしていた」という歌詞からも、心の中ではいつでもまた立ち上がる準備をしていたことがわかりますね。

そんな風に心の準備をしていられたのは「小悪魔なんかは怖くは無かった 知らなかった」という歌詞からもわかるように、誘惑がなかったからかもしれません。

一方で、上から「見透かし」てくるという「帝王」は、もしかしたら高校時代の小池さんの音楽を知っている人なのかもしれません。

「相変わらず同族嫌悪と妄想してんの?」と自分は夢を叶えたという顔で夢は 「叶う」と「見下す」彼。

もしかしたら、彼は東京から地方へと移り住み、「暖かい」地方の中でも田舎ではなく「都会」と呼べるような都市で成功し、自分のいる場所の方が東京よりいいという意味で「暖かい都会」と呼んだのかもしれません。

しかし、「暖かい都会」で動物園の猿山のボス猿のように安定の上で威張っている彼を、成功者であっても正解だとは思っていないというのが「自称」の二文字から伝わってきますね。

本物の心を失ったようになって浅はかになっていた自分を反省、懺悔して生まれ変わる

本音なんて置いておいて余計なお世話だって蹴って時間が経って這って
いつしか本当のところ本物の心なんてものは無くなっていた 浅はかだ
本命なんて放っておいでよって腑抜けた声で誘って間抜けに反省、懺悔
左右前後運動の多少面倒臭い過剰な愛としか思えない頭が仇になった
雑踏の中に埋もれたままシャットアウトしてやっと目を閉じた

出典: 暖かい都会から/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

前の歌詞で歌われていた「帝王」も含め、自分の人生に口を出してくる全ての人に「余計なお世話だ」と言いたい「本音」は置いて。

そして、社会の中で「時間が経って」なんとか生きていくために「這って」いるうちに「本物の心」を失った自分を振り返り「浅はかだ」と思うのでした。

「本命」の相手がいる女性に、落ちない「本命」なんて諦めて自分のところにおいでと誘った自分を「反省」したこともあったのでしょう。

要するに自分が本当の夢に目をつぶって生きていたせいで、他人にも気づいたら何かを諦めるように勧めるようなことを言ってしまっていたということでしょう。

「雑踏の中に埋もれたまま」の状態は変えられなくても、心の中で「シャットアウト」したことで、そんな人間に変わってしまっていた自分を見つめ直せたのでしょう。

そして、歌い出しの、大切にしまっていた思い出から本当の自分と自分の夢が蘇ったというところにつながっていくのですね。