スキーをテーマにしたユーミンの代表曲

アルバム「NO SIDE」に収録

【BLIZZARD/松任谷由実】描いたのはブリザードのような冬の恋?!歌詞の意味とは!コード譜も掲載の画像

「BLIZZARD」はユーミンこと松任谷由実の16枚目のフルアルバムに収録された楽曲で、1984年の作品。

ユーミンは、当時出す曲全てが大ヒットを飛ばすヒットメーカーでした。今では多くのシンガーが、自身の作品の作詞、作曲に携わることは珍しくありませんが、当時はまだ数少ない希少な存在。

しかも広瀬香美が音楽シーンに登場するまで、冬の定番曲はユーミンが独り占めしていたような気がします。

「BLIZZARD」は、1985年に第27回日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞した「NO SIDE」に収録された1曲で、冬のシーンに欠かせないユーミンの定番曲となりました。

映画「私をスキーに連れてって」劇中歌

「BLIZZARD」は1987年の映画「私をスキーに連れてって」の劇中曲として使用されています。

テーマ曲は、同じくユーミンの「恋人がサンタクロース」。14歳でデビューを飾った原田知世主演の映画で、スキーブームの火付け役となった人気作品です。

原田知世の作品はすべてが超ヒットばかり。ちょっと大人になって会社に入社したばかりのOLを演じる原田知世の可愛らしさと大人びた仕草が見え隠れする素敵な作品です。

映画には、実の姉原田喜和子も出演しており、デビュー以来所属していた角川春樹事務所から独立。姉と共に芸能事務所「ショーンハラダ」を立ち上げた直後の主演作品。

JR30周年記念CMとして起用

JR東日本発足30年を記念して企画したキャンペーンで「BLIZZARD」がCMに起用されています。

このJRのCM「JR SKI SKI」シリーズは、映画の1シーンを切り取ってアテレコにて原田知世や三上博史がJRを使用してのスキートリップ宣伝を行うといったトリックが面白い。

このシリーズには新幹線篇、ティザー篇、ブリザード篇など様々なバージョンが製作されています。

「BLIZZARD」に描かれた冬の恋を象徴する歌詞紹介

Blizzard Oh! Blizzard
包め世界を
尾根も谷間も 白く煙らせ

激しく舞い跳ぶ妖精たちが
前をゆくあなたの姿かき消す
ストックに付けた鈴の音だけが
二人を導くの 音の無い国

出典: BLIZZARD/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

ブリザードに見舞われた二人

ブリザードに馴染みが無い方もいらっしゃるかもしれませんので、ブリザードをご説明します。

ブリザードとは、雪の極強いのことです。吹雪を伴った冷たい強風で、アメリカ北部やカナダの極寒地区で元々使用されていた言葉でしたが、近年では雪を伴うのことを一般にブリザードと呼ぶようになりました。

ブリザードが起こると、強風が吹き荒れますので、尾根も谷間にも白い吹雪が舞います。

山をスキーで降りる二人に、ブリザードが襲ったようで、先頭を走る彼の姿は、雪の舞い散る中ではぼやけて見えなくなります。

ストックに付けた鈴の音を頼りに、彼の後を必死で追う彼女が目に浮かぶようですね。

雪が舞い散る一面の銀世界は、風の音さえ無になるほど張り詰めた冷たさがあります。

ユーミンの歌詞は、現代的ですが非常にポエティックな表現が目立ちますね。

ふもとで会おうとスタートをきった二人

Blizzard Oh! Blizzard
閉ざせ二人を
流れる距離と時間を消して

ふもとで会おうとスタートきった
かならずはぐれずに
ついてゆけるわ
ふいに見失う心細さが
あなたへの想いをつのらせるから

出典: BLIZZARD/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

ふもとで会おうね。と約束してスタートした時は、きっとブリザードは起こっていなかったのでしょう。

山の天気は変化しやすいと言いますので、頂上に着いたときに天候が変化したのでしょうね。

ブリザードで、途切れ途切れにしか見えなくなる彼の姿を追いかける彼女は、彼を見失うたびに不安に苛まれます。

ブリザードによって、まるで彼への本当の想いを試験されているよう。

同時に、ブリザードが世間の雑踏から二人を遠ざけ、雪で閉ざされた二人だけの世界に浸ることができる瞬間でもあります。

ギャップを飛び越えあなたにどんどん近くなる