光る街、とは、成功者の集まる光景の比喩。
芸能界、あるいはヒットチャートの激しい舞台で、どうにか消されないように、蹴落とされないように、曲作りをしている様子が浮かびます。
自信という鎧
Every time I feel the pain Every time I see the rain
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
痛みを感じるたび、雨に濡れるたび
僕はいつも土壇場で逃げ隠れた
夜明け前の時 君は待ってくれた 眩し過ぎた街ももう怖くなかった
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
「夜明け前」とは、デビュー、あるいはブレイク前夜でしょうか。
成功者ばかりが集まるその場所も、自信をつけて挑めば前ほど恐ろしい場所ではなくなってきていたのです。
そういうの、成長っていうんでしょうね。
疾走する感情
光る街に挑み唇を噛み 怒りの中耐え我が物顔で歌う
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
次の感情として「怒り」が生まれてきました。
この「怒り」の正体は何でしょうか?
成功者につきものの、“有名税”なんて言われる誹謗中傷やスキャンダル、ストーキングかもしれません。
産みの苦しみ
I heard the song is calling me
to write the words on melody to find out why am I crying over and over under sea
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
歌が僕を呼んでいるのが聞こえた
僕がなぜ、海の底で何度も泣き叫んでいるか見つけるために、メロディに歌詞をつけろと
(このセンテンスは、いわば「産みの苦しみ」を表現する歌詞。
音楽を作ること自体は楽しく、得意であったとしても、プロとして誰かに要求されることには常に苦しみが伴います。
ヒットするだけのクオリティ、納期、リリース後のチャート成績、エトセトラ。
そんなものに悩み苦しみ泣き叫びながらも、曲は彼を呼ぶのです。
曲を完成させることができるのは、世界にただひとりだから。)
笑われたなら 笑い返せば良い そんな事を「君」は教えてくれた
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
時には楽曲が酷評されたり、嘲笑されることだってあったのかもしれません。
でも「君」は、そんな声に耳を傾けず、笑い返すくらい軽く考えておけばいいとアドバイスします。
so we got to stay alight stay alive stay alight and let go of all your past
stay alight stay alive I know I know I’m not too late
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
だから僕らは輝き続けるんだ 生き続けるんだ 輝き続けるんだ 過去なんて手放して
輝き続けろ 生き続けろ わかってるさ 僕はまだまだいける
(この曲のメインメッセージであり、ライブでファンが熱狂するパンチラインがこちら。
韻の踏み方が完璧ですし、激しいメロディラインにもぴったりですよね。
そして、ロックバンドとしては遅咲きのドロス。
語尾には“not too late”遅すぎるなんてことはない、というフレーズが登場します。)
笑われたなら 笑い返せば良い この先何年かかっても果たせば良い
悔しさ味わい 苦味も味わい 酸いも甘いも全部飲んで 生きていく
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
デビューしてから、あるいはデビューする前後に、きっと嫌な思いはたくさんしたのでしょう。
一般のひとでも、新入社員や部活の新入生ってしんどいですよね。
周りのこともよくわからないのに、周りは「ちゃんとすること」を求めてくるわけですから、そりゃあしんどい。
だけどそこを乗り越えれば、また視野は広がり、新しい世界が見えてきます。
決意の歌であると同時に、今まさに逆境と戦っている人たちへ向けてのエールソングにも読めてきますね。
Everybody’s gotta pain Everybody’s got a sin
I find out why am I climbing over and over mountain high
出典: Kick&Spin/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
誰もが苦しむものだし 誰もがバカみたいなことをしてしまうものだ
僕が高い山に何度も上る理由がわかってきた
(苦しくても、つらくても、頂点を目指してしまう理由。
歌が好きで、音楽が好きだから、そしてそれ以上に、自分が作る音にプライドがあるから。)