果敢無き人の尊厳
追い越したい食い止めたい この手で急転直下
出典: 永遠の不在証明/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
生物の立場には必ず弱者的な存在がいます。
人間の社会でも同じです。
中には強い立場の人に良いように食い荒らされることもあります。
そんな立場の人を少しでも減らしたい。
しかし弱者的立場の人を守ろうとするのは中々難しいものです。
色々と策を尽くしても上手くいくことは、ほんのわずかでしょう。
しかし時には強い立場の人が墓穴を掘ることもあります。
1つ上の歌詞解釈で紹介したように善悪の反転はよくあることです。
墓穴を掘って強い立場の人が悪になってしまうと、話の展開はものすごく早く良い方法に転がります。
悪はいわゆる誰でも攻めたり批判したりできる1番の弱者だからです。
あやふやな自分
ああ仮初めの人生を愛し合うのも啀み合うのも
詰まり各自選ぶ相棒次第どうして間違えるのか
味方の自分が最後まで奇々怪々なる存在
出典: 永遠の不在証明/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
自分の人生というのは自分だけでは成り立ちません。
かならず自分以外の他者との関わりが大きく影響してきます。
他者との関わり方1つで自分の人生が良い方向にも悪い方向にも傾くでしょう。
それぐらい「人生」というのは曖昧なもの。
自分で好きなように生きたと思っても、その選択さえ他者からの影響を受けています。
自分1人だけで考えた選択というのは存在しないのかもしれませんね。
人間は1人で生まれることはできませんから。
仮に生まれてすぐに親に捨てられた人生だったとしても、親の影響力からは逃れられません。
親に「捨てられた」という出来事は自分だけでは起こせないからです。
親との関わりがあって初めて生まれた事象。
そう考えると自分という存在は非常に曖昧な存在だと思えます。
他者との関わりで出来上がった自分。
本当の自分とはなんなのでしょうか。
真実はいつも謎のまま
そう
世界平和をきっと皆願っている待ち望んでいる
白か黒か謎か宇宙の仕組みは未だ解明されない
出典: 永遠の不在証明/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
誰しも自分が悪い人になろうとは考えません。
自分なりに考えて良い結果へ、善い人へなろうと思っている人がほとんどでしょう。
それなのに、「悪」というのはなくなりません。
自分が善い人になろうと行動を起こした結果、他の人からすれば悪い事に捉えられることがあります。
みんながみんな、幸せを願っているのにそうはならない。
幸せになった人の反対では不幸せになった人がいる。
どうしたらみんなが幸せになるのかは未だに不明です。
そもそもみんなが幸せになってしまったら、「幸せ」という概念がなくなってしまうかもしれませんね。
1人で出来ることは、ほんのわずか
今沢山の生命が又出会っては活かし合っている
せめて誰かひとり死守出来るとしたら万々歳か
出典: 永遠の不在証明/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
地球規模でみると人は1秒に2人ほど死んで、1秒で3人ほど誕生しているようです。
世界ではものすごいスピードで生死が繰り返されています。
そんな目まぐるしい命のやりとりの中で、1人だけでも救おうとするのは中々大変なことです。
それでも、様々な幸運やタイミングは折り重なって誰かの助けになれたら。
それはすごく素晴らしいことではないでしょうか。
たとえ救った人が死にたいと嘆いていた自殺志願者だったとしても。
人間では到底手の出しようもないスピードで行われている命の流れに介入することができたのですから。
主人公は何を知りたかったのか
喜びとは怒りとは悲しみとは灰色に悩んでいる
元々の本当の僕はどこへ
出典: 永遠の不在証明/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
善悪を分けたり、情報をめぐって死闘を繰り広げたりしても、時間は平等に流れます。
いつから人は善悪を分けるようになったのでしょう。
この歌詞の主人公はどういった経緯で命のやりとりをするような現状にいきついたのか。
ひょっとすると元をたどれば些細な事だったかもしれません。
関わっている人が違えば、そんな激戦はなかった未来を辿っていたでしょう。
自分で道を選んでいるようで選んでいないような、なんともスッキリしない感じです。