「勝手にシンドバッド」の歌詞を深掘りしてみる!

「勝手にシンドバッド/サザンオールスターズ」衝撃の誕生秘話?!勝手に売れた訳ではない歌詞を徹底解釈!の画像

”今何時っ!”は流行りました

今何時?そうねだいたいね
今何時?ちょっと待ってて
今何時?まだ早い
不思議なものね あんたを見れば
胸騒ぎの腰つき……

出典: https://twitter.com/sazan_kashi_bot/status/861774044240035840

「勝手にシンドバッド」のサビの部分は社会現象になるほど流行りました。

というのも当時の時代背景は空前の好景気。いわゆる高度経済成長真っ只中の日本で、今までブルースなどすこし暗い曲の多い歌謡曲の中で異彩を放っていたからなのです。

街中で若い女性に声をかける男性が”今何時?”と声をかけ、ナンパしていた時代です。また、よく読むと少しエロティックの要素も入っていますよね?”胸騒ぎの腰つき…”なんて表現を使い唄っていたアーティストは当時皆無でした。

デビュー曲は湘南をフィーチャーしてる!

江ノ島が見えてきた 俺の家も近い
行きずりの女なんて 夢を見るように忘れてしまう
さっきまで俺ひとり あんた思い出してた時
シャイなハートにルージュの色が ただ浮かぶ
好きにならずにいられない
お目にかかれて

出典: https://sp.uta-net.com/song/1312/

歌詞を紐解いていくと湘南の地名が随所に見られます。この部分は”江ノ島”。自分のうちの近くだと唄っています。夜通し遊んで帰ってきたのでしょうね。

ナンパした行きずりの女よりも夏に恋したあなたを忘れられませんと唄っているのです。

この曲は失恋の歌だったりします…

心なしか今夜 波の音がしたわ 男心誘う
胸さわぎの腰つき……………………

出典: https://sp.uta-net.com/song/1312/

最後の一節です。

”夏と失恋と行きずりの恋”なんてタイトルを付けてもいいような実は失恋ソングだったのです。デビュー曲が失恋の歌で、しかも少しだけエロティックかつコミカルに仕上げているのです。メロディーももちろんですが、歌詞にも共感を生んだのでしょうね。

デビュー作がヒットしたのには、そこに込められてメッセージが共感を生むものだったと推察できます。

中々に奥の深い一曲です。また聞きたくなりますね。

なぜデビュー曲は「勝手にシンドバッド」なのか?

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デビュー当時はコミックバンドだった?

1978年、青山学院大学に在学中の学生が静かにメジャーデビューしました。それが2017年には活動開始から40年近く経ち、今では日本を代表するバンドとなりました。

サザンオールスターズのデビュー曲「勝手にシンドバッド」のタイトルは、当時人気最高潮の沢田研二「勝手にしやがれ」と、同じくピンクレディー「渚のシンドバッド」から借りたタイトルだと、後に桑田佳祐は雑誌のインタビューで語っています。

ちなみにカップリングの「当たって砕けろ」にもピンクレディーの名フレーズ”ウォンテッド”を勝手に入れ込んであります。

デビュー当時はどこかコミックバンドのように捉えられていましたが、桑田佳祐の歌唱力、独特の野太いロックサウンドが大衆に受け入れられ、桑田佳祐の葛藤とは裏腹に人気が急上昇していきました。

実はドリフターズがサザンオールスターズの曲を売った?

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当時はCDがなかった時代、レコードでの販売でしかも大学生、売れない要素のほうが多かったのですが、「勝手にシンドバッド」は大ヒットとなります。

その理由はいかりや長介率いるドリフターズがサザンオールスターズのデビューシングルのタイトルに抗議したことから知名度がぐっと上がったのです。

いかりや長介は「勝手にシンドバッド」を聞いて、”こいつらは売れる!”と直感したのでしょうね。抗議をすぐに取り下げ、サザンオールスターズはいかりや長介の男気によって知名度をあげたのです。”売れるべくして売れた”のではなく、人との出逢い、プロの世界の厳しさを知った上での出来事だったのです。

桑田佳祐はその後の活動に悩み葛藤します。でもその葛藤をも飲み込んで40年続いているのですから凄いことですよね。