楽曲としての「19歳になりたくない」

あいみょん【19歳になりたくない】歌詞の意味を徹底解説!なぜ19歳になりたくないの?本当の自分とはの画像

19歳になりたくない」は、「憎まれっ子世に憚る」というアルバムの収録曲。

これはあいみょんさんの2ndインディーズアルバムです。

アルバム自体は2015年12月2日に発売されました。

計算してみると、2015年時点であいみょんさんは20歳

すでに19歳を超えていました。

なぜ、あえて「19歳」?

では、なぜ19なのでしょう?

一般的に見ると、19歳という年齢は非常に微妙だと感じられます。

高校卒業は18歳。大学卒業は22歳。

仮に高卒で就職したとしても、19歳は新社会人というわけでもなく……。

しかしこの年齢は、あいみょんさんにとって大きな意味を持っている可能性があります。

それはあいみょんさんの経歴を考えると感じ取れます。

あいみょんさんは、高校卒業後にデビューを果たしました。

きっかけは動画であり、アーティストの中では特殊なデビュー方法だと思われます。

素晴らしい躍進であると同時に、これは急激な環境の変化をも含んでいたのではないでしょうか。

大きな会場でのコンサート、音楽番組への出演などなど。

多くの人から注目される「社会」の中に、突然飛び出したようなイメージかもしれません。

つまり19歳という年齢は、「大人の世界への仲間入り」を象徴しているのです。

誕生日前夜の心情? 歌詞を解説!

明日が怖い

明日になれば私
何か変わっちゃうかな
どうにもこうにも 想像がつかない

出典: 19歳になりたくない/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

考察するに、この曲の時間軸は誕生日前夜なのではないでしょうか?

理由は「19歳になりたくない」という曲名と、最初の「明日」という歌詞です。

翌日で19歳になるけれど、素直に喜ぶことができない。

曲を通してそんな複雑さが描かれているのかもしれません。

これまでを回想する

小中高と進んで 逃げ方も覚えた
自殺者を笑い その勇気に拍手して

出典: 19歳になりたくない/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

ここまでの出来事を振り返っているのでしょうか。

学生時代、決して良いことばかりではなかったことがうかがえます。

また、矛盾したような言葉が出てくることも印象的です。

「笑う」「拍手」

誰か面白いことを言って笑う時は、「笑う」はポジティブな印象を持ちます。

しかし誰か笑う時は、人を嘲るようなネガティブなニュアンスです。

同時に歌の主人公は、同じ相手に拍手をも送っています。

拍手は祝福や喜びを表現するために使われることが多いです。

主人公は自死した人をあざ笑うかたわら、彼らを尊敬してもいるように見えます。

これは矛盾です。

なぜこんなことが起きているのでしょう?

理由として考えられるのは、本音を隠しているという説です。

一般的に、自死は「悪い」こととされています。

自死のニュースが流れると深刻な顔をする人がとても多いです。

「何も亡くなることはないのに……」

「誰かに相談すれば良かったのに……」

えてしてそのような感想が飛び交います。

確かに、それは合っているかもしれません。

同時に間違っている可能性も持っています。

死を選んだ人にとって、世界がどのように見えていたかは誰も分からないからです。

誰かに相談しようとしたかもしれません。

周りが深刻にとらえてくれなかったかもしれません。

他の道を考えたかもしれません。

死を考えることは簡単ですが、いざ実行に移すのはとても難しいのではないでしょうか。

それをあえて実行した勇気。

人によっては、その心に尊敬の念を抱くことも考えられます。

これが主人公の本音でしょう。

しかし、それを公にすることには勇気がいります。

その気があるわけではないのに、人に心配されてしまうかもしれません。

だから主人公は、本音を隠しているのです。

表向きは、多数の意見に賛同しています。

しかし本当は、全く違ったことを感じているのです。

自分らしさに目覚めていく

あいみょん【19歳になりたくない】歌詞の意味を徹底解説!なぜ19歳になりたくないの?本当の自分とはの画像

カメラを片手に ギターを背負い
人の話さえも かすんでく

出典: 19歳になりたくない/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん

主人公に変化が訪れます。

この歌詞自分らしさを発見していく過程を歌っているのではないでしょうか。

「カメラ」ギターという印象的なアイテムも現れました。

この2つのアイテムは、あいみょんさんにとって重要なものと思われます。

ギターはもちろん、あいみょんさんの音楽に必要不可欠な楽器。

またあいみょんさんは、よく写真を撮る人でもあるようです。

ブログにカメラや写真についての記事があったり、取材に写真を持参したりしています。

この2つのアイテムが、あいみょんさんの個性を表現するアイテムなのでしょう。

次に出てくる「人の話」ですが、これは世間の一般論を象徴していると思われます。

人になんと言われようと、関係ない。

自分のやりたいことをやりはじめる。

自殺者についての本音と建て前を分けていた頃から、一歩前進した姿が感じられます。

手放したもの 偽物だったから
もう いらない 必要ない

出典: 19歳になりたくない/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん