1人で夜桜を見ると、あの川沿いで2人歩いた日のことを思い出しています。
そこには想いを伝えられなかった後悔があるのでしょうか。
あの日見た景色を懐かしんでいるのでしょうか。
そこにある気持ちは、ただ会いたいということです。
恋の定義
好きな人になぜ会いたいのか考えたことはありますか。
あいみょんはそこにはっきりと答えをくれています。
分からないから恋愛だと答えを示しています。
理屈が働かないところに恋愛があるということでしょう。
彼と一緒に見た夜桜を自分の体は覚えていて、思い返すのも自分の体です。
これにも理屈はありません。
分かるのは、そういった体の反応が恋ということです。
反復表現で意味合いを変化させる
最初のフレーズでは、2人であの日見た景色を懐かしんでいます。
曲の最後でも同じサビを繰り返していますが、雰囲気が変わっています。
曲の後半では思い悩んでいる様子が伝わってきませんか。
春の終わりが迫ってきている状況。
彼はどんどん変化を続けています。
自分は、告白した方がいいのかという葛藤が渦巻いています。
しかし、答えはなく、分かるのは好きだということだけです。
片思いの葛藤について考えさせられますね。
告白するかの迷い
変化していく彼
4月の夜に2人はもう会えないのかな
遠くに見える
あなたはまるで知らない誰か
真面目な顔は好きだけど
今は見たくない
新しい色に染まるのは
桜だけでいい
出典: 桜の降る夜は/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
曲の中の女の子は、2人で桜を見た時間のままです。
一方で、彼は時間が流れていきます。
時間の流れも、心理的な距離も比例して遠くなっているような描写ですね。
また、噂の内容次第では、物理的距離も離れていると考えられます。
そのことに彼女は切なさや焦りを感じているように思えます。
彼の変化や普段見ない表情に感じる不安。
桜の花の色は、時間の流れとともに変化します。
日本で最も有名なソメイヨシノも同様です。
咲き初めは、花の中心が緑ですが、散る時期になると赤くなっていきます。
人の心の移り変わりも似たようなところがありますね。
彼の心は変わらないままでいて欲しいと彼女は願っています。
似たような願いを込めた人も多いのではないでしょうか。
変化を受け入れる女の子
だけど
いつかは散ってしまうと
いい加減気付きます
でもあなたの心に雨は降らないで?
出典: 桜の降る夜は/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
しかし、現実は理想通りにはいかないものです。
彼女も男の子がいつまでも変わずにいることはないと悟っているのでしょう。
彼の変化を受け入れ、自分も止まったままの時間を進めようとしています。
言い換えれば、告白するかを真剣に考え始めたことになりますね。
一方で彼女の願いが吐露されます。
それは、彼の心の中には自分と見た桜が咲き続けて欲しいということです。
フランスでは、桜の花言葉は「私を忘れないで」という意味があります。
彼女の願いは、彼との思い出をいつまでも共有したいということでしょう。
変化を受け入れながら、変わってほしくないものがある彼女。
一途な思いに、心がときめきますね。
彼女の想いの行方は
Ah 寂しい夜を1人
桜の花がヒラリ 踊ってる
私の味方をしてよ
Ah 心から思うこと
今伝えるべきなのか
考えている間に春は終わる
出典: 桜の降る夜は/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
桜の花びらが思い悩む彼女とは裏腹に、楽しげに舞う様子が描かれています。
彼女にとって、桜は2人の象徴ともいえる存在です。
2人の間を繋ぐ架け橋になって欲しいと願う様子は、切実ですね。
この歌詞では、桜が散るまでに決断をしなければならない緊張感があります。
この緊張感は、あっという間に卒業がきてしまう学生ならではだと思います。
今学生の方も大人の方もこの緊張感を体験した方は多いでしょう。
想いを伝えるか、伝えないかという緊張感。
それに合わせるように、期限が迫っているという状況にハラハラしますね。
気になる2人の行方をMVから考察していきます。
このシーンは、想いを伝えるか伝えないかを表しているのでしょう。
このことからも、男の子は離れた場所に行ってしまったと考えられます。
最終的には、バスに乗る決断をしています。
恋が実るかは分かりませんが、彼女は伝えることを決めたのです。